英語道(トラスト英語学院のブログ)

トラスト英語学院(長野県伊那市)塾長。英語指導や自身の英語学習雑感、趣味のランニングと筋トレについて綴ります(^^)

安堵と焦燥

2006年09月30日 | 指導現場にて
9月も今日まで。この時期になると、各高校の指定校推薦合格者が決まり出します。

私が指導する塾生の中にも、同志社大学・関西大学・立教大学などの有名大学に合格者が出始めました。指導者として、安堵のため息が出るところです。

その一方で、一般入試受験組は二極化が始まっています。つまり、がむしゃらに勉強をやり出して結果を出し始める者もいる一方で、形だけの勉強、暗記を徹底しない勉強で、一向に偏差値を伸ばせないでいる者も多くなっています。

例えば、
It is surprised that you have already finished your assignment.
という英文で、文法的な間違えを生徒に指摘させると、偏差値60以下の生徒はほとんど見つけられません。(因みに、答えは surprised を surprising にしなければなりません。)

私を悲しくさせるのは、この誤文訂正問題が出来ないと言うことではありません。一回教えているにもかかわらず、違う問題で類似問題が出てきたときに出来ない、再度説明して「以前も同じことをやっているぞ」と言っても、生徒の方は覚えておらず「そうだっけ」と言うだけ。これではどこの大学も受かりません。

私が授業で使用するプリントは、23年間受験英語を研究し続けてきた私自身が全て過去の大学入試問題から厳選したもの。そのプリントを授業でやっただけで満足している生徒が伸びない生徒なのです。

同じ問題が出てきたら二度と間違えないという意気込みで復習しないのは愚の骨頂です。

昨日はそのような生徒が多く見られたため、情けなくなり、怒りがこみ上げてきました。その悔しさにも似た怒りのぶつける場がなくて、ペンで自分の手を思いっきり突き刺してしまいました。

もちろん血が滲み出てきましたが、痛さよりも、悔しさだけが心に残り続けました。

何回言えば、彼らは気づいてくれるのだろうか?


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心のエネルギー

2006年09月29日 | 英語勉強法
私は中学3年生に国語も教えているのですが、今週使用している過去問プリントに、河合隼雄著『こころの処方箋』がありました。
人間の心のエネルギーは、多くの「鉱脈」のなかに埋もれていて、新しい鉱脈を掘り当てると、これまでとは異なるエネルギーが供給されてくるようである。 -中略- エネルギーの節約ばかり考えて、新しい鉱脈を掘り当てるのを怠っている人は、宝の持ちぐされのようなことになってしまう。 -中略- 自分のなかの新しい鉱脈をうまく掘り当ててゆくと、人よりは相当に多く動いていても、それほど疲れるものではない。
この文章を読んだとき、「これは英語の勉強についても当てはまる!」と妙に納得してしまいました。

例えば、
There is no accounting for tastes.
(人の好みは説明できない。=蓼食う虫も好き好き。)
という英文で、ポイントとなるのはもちろん、 there is no ~ing(~できない) です。
多くの英語学習者が、それを憶えただけで終わってしまうのです。もう一歩つっこんで
It is impossible to account for tastes.
と、不定詞を使って書き換えが出来るようにしておくと、知識が定着します。
更には、account for~ は ① ~を説明する ② ~の割合を占める の意味があり、①の場合 explain に言い換えができる・・・と、このくらい関連した知識を詰め込むことが大事です。
「覚えることが多くなるから・・・」といって心のエネルギーを節約して、there is no ~ing
だけを覚えようとすると、大抵は忘れてしまいます。関連したことをどんどん脳みそに蓄えようとすることで脳が活性化し、脳みそのしわが増えて記憶が定着していくと思います。

また、「単語1日10個ずつ憶えよう」という人もいますが、これは必ず挫折します。なぜなら、自分で限度を設定してしまっているからです。10個と言わずに、50個、100個と出来るだけやってみる。そして忘れたらまたやり直す。こうして何回も何回も繰り返せば、参考書も手になじんできて、覚えることが出来るのです。

私も留学時代は、このやり方でやってかなり英語力を伸ばしました。そして、確かに河合氏が言われるように新しいエネルギーが供給されてくる感じがします。そのせいかわかりませんが、留学中に虫歯でもない親不知が痛み出し、にょきにょき出てきたのを覚えています。とある本によれば、それは、脳が刺激された結果の若返りのサインとか・・・・。

休日などで時間をもてあましているときの方が勉強できず、仕事に追われているときの方が勉強できたりします。それは、恐らく時間を有効に使おうとして、物事に優先順位をつけて、効率的に時間を使おうとする「心のエネルギー」のお陰だと思います。

何事にも積極に取り組み、脳を忙しくさせてみる。これが人生を豊かにするポイントかもしれません。

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回想 代ゼミ時代

2006年09月24日 | 閑話
私の浪人時代の恩師である潮田五郎先生が亡くなられたのは、先日のエントリでお話ししました。この連休中、実家に帰る機会があったので、本棚から潮田先生のテキストを手にとって見ました。
人間的に最も成長できたのが浪人時代と自分でも実感しているため、実家の本棚には、その当時使った参考書や成績優秀者として名前が掲載された模試の資料などが、いつでも手にとれるようになっています。

私が代々木ゼミナールの潮田先生にお世話になったのは、1991~92年。一浪して明治大学法学部に合格し入学したものの、早稲田を諦めきれず、大学に通いながら予備校にも通ういわゆる‘仮面浪人’をしていた時です。

根っからの代ゼミっ子だった私は、もちろん前年の一浪時も代ゼミに通っていました。
この写真は、「91/92 冬期直前講習会(代々木ゼミナール)」の小冊子を撮影したものです。田村秀行氏の「早大現代文」を受講している時のものが、中表紙に掲載されました。当時は予備校業界全盛期。有名講師である田村先生の講義を聴講するために、朝4時半の始発で代々木まで通い、窓から忍び込んで席取りをしたものでした。向かって右側が私。因みに隣に座っている彼(伊那北高時代の同級生)も早稲田大学法学部に合格しました。

何故だか分かりませんが、あの頃は全てが充実していた気がします。やったことが正直に自分に帰ってくる・・・。そんな時代を過ごしたから今の仕事を生業としてやっていけると言えます。

今日は、久しぶりに懐かしい気持ちになりました。
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英語教授法マスター講座

2006年09月24日 | 指導現場にて
定期購読しているアルク『The Voice of EJ』の裏表紙に、7月15・16日に行われた「第3回英語教授法マスター講座」のレポートが特集されていました。この講座はELSジャパンと代々木ゼミナールがプロデュースした中高教員向け英語教授法講座らしいです。
(詳しくはこちらをご覧下さい。)

この講座自体の存在を知らなかった自分の疎さに憤慨しましたが、それ以上に私の‘母校’である代ゼミで開催されたと聞いて驚きました。

内容は受験英語と実用英語を両立させるための教授法の紹介が中心。私も英語指導の際、生徒たちに常々「受験英語の延長線上に実用英語がある」と言っているほど、受験英語の有用性を強く認識しているので、次回は是非とも参加したいと思います。

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a short trip to Otaki

2006年09月19日 | 閑話
I went to Otaki-mura village, which is located in the western part of Nagano.

It was by the 1984 earthquake that Otaki was devastated. A huge earthquake hit Otaki-mura in September, 1984, when I was in a junior high school. The quake wreaked havoc throughout the village. There occurred a disastrous landslide, which ended up preventing the Otaki-river from running. Then the river was transformed into a natural lake.
Now the lake is a sightseeing spot, where we can enjoy canoeing. I've wanted to see this natural lake for a long time.

Its atmosphere was so mysterious that I couldn't help feeling overwhelmed by the power of nature.
Because I wanted to be a seismologist when I was young, I get intrigued by something related to earthquakes!

After seeing the lake, I went to a soba restaurant and enjoyed soba and roasted sweetfish. That's the reason I love living in Nagano.



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Happy Birthday

2006年09月18日 | 子育て
我が家の息子は3歳の誕生日を迎えました。先日ちょっとしたパーティーを開いて、健やかな成長を祈りました。

私達からのプレゼントは、ママが書いてくれた似顔絵ポスターと、アルクのスクールバス英語ドリル『アルファベット』『英語で知育』『英単語あそび』の3冊。



ポスターは「似ている!」とジジババにも好評でした。ドリルにも早速取り組んでおり、英語への興味が更に深まること請け合いです。



ケーキも美味しく頂戴し、大満足のパーティーでした。

妻方のジジババからは、消防車のおもちゃとくもんの「日本地図パズル」をプレゼントしてもらいました。消防車には見向きもせず、パズルに夢中で、早速都道府県名を覚え始めています。



3歳の頭は柔らかくて何でも吸収してしまうので、羨ましい限りです。


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英検1級合格への道 #6

2006年09月15日 | TOEIC・英検など
自分の遺伝子を持った二世の誕生とともに、英語を職業としている自負も強くなり、「次の受験で英検1級合格を決めよう」という強い気持ちが湧いてきました。

まず、『英検Pass単熟語1級』の徹底暗記です。この時期、妻の出産の関係で実家から約1時間かけての車通勤となったため、往復2時間の車中は『Pass単』の別売CDを流しっぱなしにしました。

また、読解力アップのため、本屋で適当な問題集を物色していると、自然と大学受験のコーナーに足が向いていきました。大学受験英語を極めた過去の自分の姿が思い出され、旺文社の『全国大学入試問題正解(英語 私立大編 2004年度受験用)』と代ゼミライブラリー『早大入試プレ問題集 英語』を購入しました。

前者は通称‘電話帳’といわれており、1日1学部を目標に、就寝前に布団の中で解くことを心掛けました。後者は、我が母校早稲田大学をターゲットにした代ゼミの早大模試の過去問題集。はっきり言って難易度は半端ではありません。こちらは、主に休日を利用して解きました。過去の早大模試の問題から構成されているため、自分の得点を偏差値に換算できるデータもあり、自分の偏差値がどのくらいかわかるのも楽しみでした。因みに、全ての回で75前後の偏差値をとることが出来、「大学受験時にこれだけ英語が出来ていれば、余裕で早稲田に合格していたのに」と思わず仮定法過去完了の文章が口をついて出てくると同時に、その当時よりも英語力が爆発的に伸びていると実感でき、励みにもなりました。

また、1級合格者の中で定評のあった、『1100 WORDS YOU NEED TO KNOW』を購入し、気が向いた時に取り組むようにしました。

以上のような勉強を続け、いよいよ自身5回目の受験を迎えることになったのです。<#7へ続く>

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Halloween

2006年09月11日 | 子育て
私の塾では、Halloween を小学生の授業に取り入れています。牛乳パックで jack-o'-lantern をつくったり、witch, bat, skeleton, mummy などのカードを使って、英語文化に触れる機会をもうけています。

今年はこれ!私が個人的に定期購読しているアルクの『子ども英語』10月号に「クモのキャンディーホルダーをつくろう!」という工作がありました。


塾の子ども達と作る前に、息子と作ってみました。なかなかの出来でしょう?今年は教室をクモだらけにしたいと思います。
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成長の証

2006年09月08日 | 指導現場にて
先日、長文読解の授業を受けたある高校3年生が、授業後に一言。
「このレベルの英文になると、英語が出来るのは当然で、内容把握が難しいですね。」
授業で扱ったのは、早・慶・上智長文読解対策のため、私が作成した予想問題。言語論を国際紛争と結びつけて書かれた抽象的な文章。

正直、この生徒からこの言葉が聞けるとは思わなかった。彼女は、高校2年生の時に英検2級に合格。確かに、地道に努力はしてきてはいたが、英語のセンスを感じるほどではなかった。しかし、上智で国際関係を学びたいと決意してから、英語の勉強にもこだわりを持ってやるようになってきた。

英語は道具に過ぎない。単語や文法を知っているか否かの試験は、中堅大学まで。難関大学では英語を介して読解力が問われる。英語を通じて世界の情報を如何に的確に捉えられるかが肝要なのです。

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Rest in Peace

2006年09月07日 | 閑話
去る8月29日、予備校時代の恩師である潮田五郎先生が逝去されました。

この訃報を知ったのは9月1日。その日は寂しい気持ちでいっぱいだったのですが、塾で高校生に指導していると、私がテキストとして使っている自作のプリントの中で、read between the lines(行間を読む)という熟語が出てきました。

今でこそこの熟語は市販の参考書には当たり前のように載っていますが、私が受験生だった当時は、どの参考書にも出ておらず、潮田先生の授業で教えてもらったのです。先生の訃報を知ったその日にこの熟語に出くわすなんて・・・。居た堪らない気持ちになりました。

私の現在の英語力の大半は、潮田先生によって培われたといっても過言ではありません。浪人時に受講した潮田先生の講義は最前列で聴講し全て録音。帰宅後はそのテープを聞きなおし、ノートにまとめたものです。

最終授業の最後に先生が言われた言葉は今でも忘れません。
Never come back!
「予備校というこの場所には戻ってくるな。合格を果たし、自分の夢を叶えろ」という先生の熱い言葉です。

講義終了後、講師室にお邪魔し、私がまとめた通称“潮田ノート”に言葉をもらいました。
高く翔べ 潮田五郎
今でもこのノートと言葉は私の心の支えです。

潮田先生にとって私は数多い潮田信者の一人であり、先生は私のことなど覚えていらっしゃらないかもしれません。しかし、あの予備校時代から時は経ち、今は私自身が英語を教える立場になりました。

「本当の指導者とは、自分が知らない所で師匠と仰がれる影響力を持つ人である」と最近思うようになりました。何年後になるかわかりませんが、私が知らない所で、私を英語の師匠として仰いでくれる人が一人でも多くいてくれるよう、これからの指導に取り組んでいきたいと思います。

日々辛いことがあっても、潮田先生を思い出し、英語道に精進していく所存です。

潮田先生、ゆっくりとお休みください。
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