我が子が、どのような人生を歩むのか気にならない親はいない。きちんとした学識を身につけ、良識ある大人になってもらいたいと皆願うのだが、知らぬ間に色々な所で差が出てきてしまう。
塾で教える仕事をしていると、同じ子供なのにどうしてこんなにも勉強する子供としない子供とに分かれてしまうのか、不思議でならない。
結論から言うと、全ては親の責任である。親の関わり方が、子供の勉強の好き嫌いを、ひいては勉強が出来るか否かを決定してしまう。
今日の本記事のタイトルは、“Nature versus Nurture”であるが、これは長年なされてきた論争である「生まれか育ちか」のことである。つまり、人間の学習メカニズムは、親から引き継いだ遺伝子によって決められてしまっているものか、それとも育つ環境によって左右されるものか、というものである。この分野の碩学であり、その著 The Blank Slate でも有名な Steven Pinker 氏は次のように言っている。
“Probably half the variation in personality and intelligence comes from variation in the genes.”(おそらく、性格や知性の違いの半分は遺伝子の違いから来ている。)
しかし、彼は遺伝子だけのせいにして結論づけてはいない。“The fact that we have, that genes influence personality, certainly does not mean that all aspects of behavior are determined by the genes and unchangeable.”(遺伝子が性格に影響を与えると言うことは事実だが、それは決して、行動のあらゆる側面が遺伝子によって決定され、変えられない、ということではない。)
つまり、育て方次第で頭の良し悪しを変えることが出来るのだ、といっている。普段、子供の勉強に親がどれくらい関われるかで、子供の出来が決まるといっても良いだろう。
「勉強しろ」の一辺倒では子供の反抗にあうだけ。言い方を変えて、「今日やった所のノートを見せてごらん」というだけでも子供の反応は良い方向に変わる。子供が勉強できない責任を、学校のせいにしたり、子供自身に転嫁するのは如何なものか?親はまず、自分を反省すべきだ。
私の子供はまだ小さいが、今のうちから勉強に関わって、毎日、本やノートを開き勉強する習慣をつけさせたいと思う。一所懸命に英語の本を見ているときは一緒に発音する、覚えた英単語を言うことが出来たら大袈裟にほめてあげる。「まだ2歳にもならないのに、そんなこと考えるの早すぎるよ」とお考えのあなた。あなたの子供は勉強しなくなる道への一歩を確実に踏み出してますよ。桑原、桑原・・・。