英語道(トラスト英語学院のブログ)

トラスト英語学院(長野県伊那市)塾長。英語指導や自身の英語学習雑感、趣味のランニングと筋トレについて綴ります(^^)

nutcracker

2007年12月28日 | 閑話
新築の我が家。その玄関で、まず出迎えてくれるのが、このくるみ割り人形です。
くるみ割り人形の本場はドイツですが、なぜ英語を生業としている私が、玄関にドイツ人形をおいているかというお話をしたいと思います。

時は5年前のシアトル留学時代に戻ります。
ホストマザーの家に、インテリアとして大きなくるみ割り人形が置かれていたのですが、その愛嬌のある表情を気に入っていました。

楽しくも苦しかった約1年間の留学を終え帰国が迫った時に、日本から両親・姉・甥っ子をシアトルに呼び寄せ、シアトルからバスで3時間ほどのところにあるレーベンワースという小さな村に遊びに行きました。

このレーベンワースは、かつてはゴーストタウンも同然でした。1960年代に村おこしの気運が高まり、周りを囲むカスケード山脈がドイツのバイエルン地方のアルプス山脈に似ているので、村をワシントン州のバイエルンにしてしまおうと、本格的な村おこしが始まり、現在は年間150万人もの観光客が訪れるワシントン州有数の観光スポットにまでなったのです。(詳しくはこちらをどうぞ。)

周りの反対を押し切って銀行を退職し、白紙の状態で始まった留学。その留学の締めくくりとなったレーベンワースへの旅で「日本に戻ったらゼロからのスタート。英語で食えるようになり、将来、家を建てたときに玄関に飾ろう」と妻と気持ちを一つにして自分たち自身に買ったお土産が、このくるみ割り人形だったのです。

我が家にとって、人生再出発の象徴であるくるみ割り人形。その愛くるしい表情で、これから我が家をずっと見守り続けてくれるでしょう。

P.S.
一昨日は、退院後1ヶ月の定期検診に行ってきました。
術後経過は順調との診断ですが「ムリだけはしないように」と主治医に言われました。
今日から冬期講習ですが、自分の身体と相談しながら、指導に打ち込みたいと思います。

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no-brainer

2007年12月26日 | 実用英語
昨日は英検の申し込み締め切り日。外国語学部を目指している高校2年生が慌てて「申し込みたいのですが、どうしたらいいでしょうか?」と聞いてきました。

そこで、「今日中にローソンかセブンイレブンに行けば申し込みできます。急げ。」とメールで答えました。

すると、「行けば申し込み方はわかりますね?」と聞いてきたので、

「No-brainer!」と返信しました。

no-brainer は、日本ではお目にかかれない表現です。英和辞典を引いても、まず載っていないでしょう。私は、シアトル留学中に「The Seattle Times」のコラムを読んでいてこの表現に出会いました。大学の先生に、その意味や使い方を尋ねると、“I love that expression!”と先生もお気に入りの表現でした。

Longman では次のように定義されています。
something that you do not need to think about, because it is easy to understand or do
生徒達にこのような生きた英語を教えることが出来るのも、留学の賜です。

因みに、その生徒からの返信は「のうみそいらない」でした。

その通り!

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心機一転

2007年12月25日 | 閑話
新居への引越しが間近に迫った先々週のある日、荷物を梱包していた妻が懐かしのCDを見つけました。

8年前の新婚旅行で訪れたタヒチのボラボラ島。約2週間の滞在中は民族音楽を耳にする機会も多かったのですが、帰国の途につくとき、「せっかくだから」とタヒチのパペーテ国際空港で購入した一枚です。
帰国後は数回聞いただけで、知らぬ間に押し入れの肥やしとなっておりましたが、8年ぶりに再会したそのCDを早速聞いてみました。

♪BORA BORA NUL~♪

うーん、冬の信州とは、完膚無きまでにミスマッチな常夏の島の音楽。しかし、だからこそ新婚当時が新鮮に思い出されました。

「初心に返れ」という天の思し召しかもしれません。
先週の土曜日に、新居への引越を完了しました。新居では、気持ちを新たにして、妻・子供と手を取り合い暮らしていこうと思います。

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洋書で多読

2007年12月19日 | 英語勉強法
昨夜、『Norwegian Wood』を読了しました。1年以上も前のエントリで書きましたように、読み始めたのは昨年の11月。しかし、その後は仕事が忙しくなり、また、読みたい和書が次々と出てきて、後回しになっていました。ペーパーバックのため、既にページの隅は色あせており、かなり年季が入っている感じです。
やはり中途半端はいけないと思いました。読み終わるや否や、「『Norwegian Wood』をまだ読み終わっていない」という罪悪感が失せ、何とも言えない爽快感に包まれました。

退院してから指導現場に戻るまでの1週間は自宅療養をしていたのですが、実は、その間にかなり読み進むことが出来たのです。そして、この多読が、指導現場に戻るために必要な英語の勘を取り戻すトレーニングを兼ねていました。

英語指導の現場は、言うなれば生徒との真剣勝負の場。マラソンランナーが大会前に高地トレーニングで合宿を張って走り込みをするのと同じく、現場に戻る直前に英語脳にすべく多読を行って自分に負担をかけたのです。その甲斐あって、スムーズに英語指導を再開することが出来ました。

さて、次の洋書は何にしようかな?お正月は、なんと2日間もお休みがあります。たった2日間で読み切れるかどうかは定かではありませんが、『English Journal (1月号)』のインタビュー記事で紹介されていたTim Harford著『The Undercover Economist』を読んでみようと思います。
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息子の成長

2007年12月16日 | 子育て
昨日は、私の勤務する塾のクリスマス会。私の息子(4歳)も参加させてもらいました。

幼稚園に入園した8ヶ月前は、大勢の中に入っていくのが苦手でしたが、昨日は、小学生のお兄さん・お姉さんのなかで上手にコミュニケーションをとる姿を、目にすることができました。

ある小学5年生が、2種類のジュースを混ぜて飲もうとしていました。すると息子は「見せてくださいよ~」とか「飲んでみてくださいよ~」と面白そうに話しかけていました。家では「飲んでみて~」という口調が多いですが、こういう場面ではきちんと敬語が使えるようになったんだと、微笑ましくなりました。

会の後半ではビンゴゲームを行ったのですが、これは、中央のフリースペースを除いた24個のマス目に1~50の中で好きな数字をおのおの記入します。そして、先生が無作為に選んだカードに書かれている数字に○をつけていき、ビンゴを競うものです。

4歳の息子は、小学生に混じって、一緒にこのゲームに取り組みました。もちろん、数字は自分で書かなければなりません。ゲームのルールも理解しなければなりません。

しかし、自ら進んで数字を記入し、しかも4番目にビンゴとなり、豪華な(?)商品も手にすることが出来ました。

息子が記入した数字

さて、先ほどの小学5年生の彼ですが、私は昨年英語を教えていました。当時はまだやんちゃで、授業に集中させるのに苦労していたあの彼が、「これ食べてみな」と私の息子にお菓子をすすめてくれるなど、気を使ってくれる姿も目にしました。

息子の成長と共に、生徒の成長も目にすることが出来て、思わぬクリスマスプレゼントをもらった気持ちになりました。
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基礎と応用

2007年12月14日 | 指導現場にて
今年も、本格的な大学受験シーズンが近づいてきました。

大学合格を目指す高校3年生なら誰しも不安になるこの時期、早・慶・上智などの難関大学を目指す生徒から多く受ける相談が、「応用力がつきません」。

こんな時、私は必ず逆に質問するようにしています。「基礎と応用の違いって何なのか?」と。

すると、彼らは決まって「長文が読めて、難しい問題が解けることです」と答えます。

このような生徒の特徴として、極めて単純な事項があやふやなまま、分かった気になっている場合がほとんどです。つまり、一つの知識をしっかりと定着させておらず、「あ~、この程度なら何回もやったし、わかる」で終わらせている場合がほとんどなのです。

基礎と応用の違いって何でしょう。私も彼らと同じように、大学受験英語からスタートし、(自分で言うのもおかしいですが)実用英語の習得には相当の労力を費やし、何とか英検1級合格しました。そして、英語指導者として、曲がりなりにも英語を総括的にとらえらるようになった現在思うことは、「応用とは、基礎と相対的なものではなく、基礎的事柄をどこまでも深く追求できる力である」と考えています。

例えば、私はテスト問題を作成する際に必ず書換問題を出題しますが、最も正答率が低いのが以下の問題です。
All you have to do is get this assignment done.(You で始めて書き換えよ。)
正解はもちろん、
You have only to get this assignment done.(○)
しかし、
You have only to do is get this assignment done.(×)
という誤答をかなり見かけます。

この問題を解くには、単文と複文の知識、使役・受身の get の用法の理解、アメリカ英語とイギリス英語の違いなど、様々な要素が詰まっています。

最近のテストでもこの問題を高校3年生に出題しました。彼らにとって3回目の出題であるにもかかわらず、いまだに即答できるものがいない。「こんな単純な書き換え、現在の大学入試に出ないよ」と思っている生徒も多いと思います。しかし、この単純なことすら出来ていないのが現状。それで、難関大学を目指すなんて、言語道断です。

単純な基礎的事柄を愚直なまでに繰り返す。何かの道を極めるためには、当然避けては通れないことです。

あれだけの実績を誇るメジャーリーグのイチローや松井ですら、素振りを毎日何百回と繰り返しているのです。誰もいない1人だけの練習、ボールすら必要としないバット1本だけの素振り練習。これは、英語学習にも必要な姿勢ではないでしょうか。

私は改めて問いたいです。「英語ができない」と嘆かれている方のなかで、このような泥臭くてつまらない練習をしたことがありますか、と。
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spontaneity(自発性)

2007年12月13日 | 子育て
今月から英会話スクールに通い始めた4歳の愛息。

昨日の朝、幼稚園のスクールバスに送っていくときに、いきなり
“Papa, do you like apples?”
と聞いてきました。私はもちろん
“Yes, I do!”
と答えました。そして、咄嗟に
“Do you like strawberries?”
と聞き返しました。彼は
“No!”
と自信たっぷりに答えました。(そう、息子はイチゴが苦手なのです!)

息子の英会話の授業に保護者は参加できないので、何を習っているかは分かりません。しかし、おそらくは一昨日の授業で習ったのでしょう。最近は地理や地図に夢中で、英語から離れていた息子が、自発的に英語を発話してくれたことに、私は喜びを隠せません。

自発性を育てるのが教育です。改めて、私も生徒達が自ら進んで英語に取り組んでもらえるような指導を心がけようと思いました。
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違和感

2007年12月12日 | 指導現場にて
手術してから、ちょうど1ヶ月が経ちました。

英語の指導を再開してからはわずか1週間ですが、手術した箇所が首であったため、声帯に多少なりとも後遺症が残り、声のスタミナが続きません。指導自体に影響は全くないのですが、以前と違う声質だと自分でも分かります。

主治医からも、声を出すことが一番のリハビリと言われてますので、指導現場で鍛え直すことが一番でしょう。

ただ、まだ体が疲れやすいので無理だけはしないようにします。

英語指導の再開と共に、高3生と面接をしていますが、みな受験前の不安で泣き崩れてしまいます。
しかし、この涙は、大学生そして大人になるためには欠かせない涙。
大学受験生にとって、今が最も辛く苦しい時。

そんな彼らの苦しみを分かち合えるのも、この仕事の魅力なのです。
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brisk

2007年12月06日 | 英語勉強法
今朝の長野県南部は、放射冷却でグッと冷え込み、見事なまでの快晴となりました。
What a brisk winter morning!

日課となった朝食後の散歩で、キーンと冷え切った空気を吸い込むと、細胞の一つ一つに生の力がみなぎってきます。brisk には、天気を表す cold and clear の他に、quick and full of energy という意味もあり、まさに I enjoy a brisk walk in a brisk morning. といった感じです。

見上げると、抜けるような青空(azure)の中を、飛行機が飛んでいるのを見つけました。
ふと、村上春樹著『ノルウェイの森』の英訳版『Norwegian Wood』にある英文を思い出しました。
The deepening of autumn had brought an increased blueness and depth to the sky. I glanced up to find two vapour trails heading off to the west in perfect parallel like tram tracks.(P.261)

文学の中で出会った情景を自分が疑似体験した時、その文学が私の琴線に触れるのです。

文学は、感性そして人生までもを豊かにしてくれます。言語を学ぶことは、そのための手段に過ぎません。
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consideration(思いやり)

2007年12月05日 | 指導現場にて
昨日の指導後、生徒から修学旅行のお土産をもらいました。
「これからもよろしくっていうことで。お体大切にしてください。」という、高校生の彼にしてみれば精一杯の思いやりの言葉と共に。
大宰府天満宮の健康御守・・・。思わず目頭が熱くなりました。

早速、通勤に使う車につけました。これから私の健康を見守ってくれることでしょう。


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