(「感涙の長野マラソン #4」の続きです)
第26回長野マラソンは自身8回目のフルマラソンでしたが、6回連続サブ3.5&4回連続サブ200&初サブ3.25(3時間15分未満)で自己ベスト更新となりました。
ゴール後、高校時代の先輩方と
完走メダルとフィニッシャーズタオルを掛けてもらい、長野オリンピックスタジアムから出ると、多くのランナーたちが芝生の上に腰を下ろし、辛くも充実した42.195kmの余韻に浸っていました。私は応援してくれた家族の元へ向かおうと思っていたのですが、なぜか急にアツい想いが込み上げてきて、芝生に倒れ込んで感涙に咽びました。「よくやったぞ、自分。練習は嘘をつかない・・・」
この瞬間のために、練習を積んできたのです。日々の走り込みや筋トレはもちろんのこと、ストレッチや食事・睡眠など体のケアも怠ることなく積み上げてきた成果が、自己ベスト更新だったわけです。
今回は私のレースプランニングについて記します。
多くのランナーが後半の失速に備えて、前半に貯金を作っておく「ポジティブスプリット」の走り方をします。もしくは、大会の高揚感に任せて前半を好調に飛ばして「今日は調子いい。このまま行ける!」と思い込んでしまい、後半にガクンと足にきてしまう「結果的ポジティブスプリット」です。サブ2.5(2時間30分未満)やサブエガ(2時間50分未満)を目指す実業団的レベルのアスリートランナーならこれでも問題ないでしょうが、私のような一般的な市民ランナーでサブ4やサブ3.5を目指す場合、ポジティブスプリットで望む結果が出たランナーをお見かけしたことはあまりありません。
私は前半を抑えて後半にペースを上げる「ネガティブスプリット」を心がけています。前半、調子がよく、また沿道の応援などの大会の雰囲気に押されてついついスピードを上げてしまいたくなるのですが、そこは我慢して設定ペースを守ります。
私はCブロックスタートでしたが、それよりも後方スタートのDブロックやEブロックのランナーに中間点(21.0975km)くらいまでは抜かれていくのも普通でした。しかし、常に「マラソンはラスト10kmのスポーツ」と割り切っているので、抜かれても慌てることもなく自分のペースを守りました。そうすると、後半に足が残っているんですね。32kmから追い抜く一方でした。D、Eはもちろんのこと、同じCブロックや前方スタートのBブロックのランナーの多くも抜くことができました。これは5kmごとの通過順位を見ても明らかです。
前半では1,282位まで順位を落としていますが、ゴールでは826位。前半ハーフを1時間36分48秒、後半ハーフを1時間38分25秒で走り、ネガティブスプリットで自己ベストを3分43秒も更新できました。
自分の目標タイムから1kmあたりのラップを計算し、そのペースをスタートから守ってイーブンで走り続ける。サブ4を目指すなら5分41秒/km、サブ3.5なら4分58秒/kmで。もちろんコースによっては、下りで多少は早くなることはあるかも知れませんが、決して前半に貯金を作ろうなどとは思わない。そうすれば後半に足が残り、ラスト10kmで自然とペースアップができます。これは私がランニングを始めてから参考にしてきた金哲彦さんが常に言われていることでもあります。
(「感涙の第26回長野マラソン #6」へ続く)