沖縄での一人暮らし

延べ8年間、沖縄で一人暮らしをしました。歴史・自然・文化を伝えます。

勝連城跡

2006-11-07 | 琉球・首里城
座喜味城跡とは反対側の太平洋側にも、世界遺産があります。
沖縄の中部で東南に突き出た半島にある勝連城(かつれんグスク)。

この立派な城を造ったのは、按司(あじ)の阿麻和利(あまわり)です。
海に面する絶好の立地条件を生かし、東アジアや大和との貿易を精力的に行い、大きな勢力を誇りました。
城跡からは、外国製の陶磁器類が数多く出土されています。

阿麻和利は、琉球建国(1429年)の三山統一の挙兵には加わらなかった上、大きな富を蓄えていたので、琉球王府の存在を脅かす危険な存在でした。
阿麻和利をけん制するために、首里城の琉球王府は、座喜味城から護佐丸(ごさまる)を呼び、近くの中城(なかグスク)城に配置しました。

すごいところに城を作ったものです。
海が良く見える上に、突き出た半島に位置しているので遠く沖縄南部まで見渡せます。

一番高い場所で「一の曲輪」と呼ばれるところからは、大和系の瓦が大量に出土したそうです。
当時、瓦をふいた建物は、首里城、琉球を統一した中山王がいた浦添城、そして勝連城だけといわれています。

野心家の阿麻和利は、1458年にライバルの護佐丸を倒し、首里城を攻めたが、王府軍に滅ぼされたとされています。
護佐丸との戦いは、二童敵討(にどうてきうち)など、琉球の総合芸術である組踊に残され、今に伝えられています。
首里城で中秋の宴
グスク紀行:中城・勝連・座喜味城跡