四方源太郎日記(京都府議会議員・綾部市選挙区)

これからの綾部のために、さらなる「挑戦」を!

若者と雇用について(一般質問②)

2020年09月23日 | 京都府議会

 府議会9月定例会での一般質問の「つづき」です。

 もう一つの質問項目「若者と雇用について」で、コロナによって企業の求人が低下し、就職難に陥る若者への支援策地方での若手人材確保策についての提案をしました。

 あわせて、コロナ下での学校休校や学校行事の実施に関する支援について、最後に2点、要望しました。

【質問①】京都府職員の採用を増やすべき

 次の質問に移ります。若者たちの中で、今、特に戸惑っているのは、就職活動中もしくはこれを控えている子たちだろうと思います。

 当初はサービス業中心だった経営難が、徐々に製造業等にも広がってきています。これから数年、就職難となる可能性もあります。私たち第二次ベビーブーム世代も就職の時期にバブル崩壊後の経済不況に直面したいわゆる「就職氷河期世代」であります。この「就職氷河期世代」への支援策が始まったところでもあり、今の若者が将来、こういった支援策を必要とすることは避けなくてはなりません。

 そこで「若者と雇用」に関することについて、数点、質問いたします。

 当面の急場を凌ぐため、京都府は民間企業に頼るだけでなく、自らも職員採用を大幅に増やし、若者の雇用を支える先頭に立つべきではないかと考えます。今年度の府職員の採用状況と来年度以降の採用方針について、お考えをお聞かせください。

 

《番場職員長の答弁》

 京都府職員の採用についてでございます。
 採用者数につきましては、定年退職等による欠員の補充を目的として決定しておりましたが、中長期的な視点から、年齢構成や今後の社会経済情勢の変化などを総合的に勘案して決定することとして、ここ数年は、人材が不足しております技術職員を中心に、積極的な採用を行っているところでございます。

 今年の4月1日の新規採用者は、医師・看護師を除いた全体で164名でしたが、令和3年度につきましては、技術職において退職者数を上回る採用を行う予定で、全体で250名程度を見込んでおり、令和4年度以降も、200名前後の採用を行う計画でございます。

 

【質問②】技術職員の新しい採用方法

 次に、技術職員の採用についてです。

 京都府の技術職員の採用は近年、難しくなっており、年齢制限を引き上げたりしていますが、公務員の採用年齢を引き上げると、「せっかく育てた技術者を引き抜かれる」という民間企業からの懸念の声も聞こえます。

 高校を卒業した子を、府の職員としてまず採用してから、専門学校等に通ってもらって技術を身につけさせるという方策は考えられないでしょうか。

 この仕組みの導入によって、家庭の困窮で進学をあきらめざるを得なかった高校生にも新たな道を開きます。こういった新しい採用の導入に取り組む意思はないのか、お考えをお聞かせください。

 

《番場職員長の答弁》

 四方議員御提案の新たな採用形態の導入についてでありますが、この間、高卒程度の試験区分による採用者数を増やしますとともに、これまでから、大学二部コースへの進学者に対しましては、学業と両立できるよう、人事配置などで配慮を行っており、更に、大学や高等専門学校などへ就学する際の休業制度を整備するなど、入庁後のキャリアアップを支援しているところでございます。

 ただし、公務員の採用は、地方公務員法上、その職務に必要な能力を判定する公平・公正な試験による選考を行う必要があり、育成を目的とした採用は困難でございますが、高い技術力と専門性を持った人材が、これまで以上に必要となりますので、人事委員会とも協議しながら、引き続き研究・検討してまいりたいと考えております。

 

【質問③】地元の公立高校で、Uターン就職の出張相談を

 「コロナ」によって採用を減らす企業もある一方で、地方の中小零細企業にとっては、人材確保のチャンスだと考えておられるところもあります。

 母校である公立高校の進路指導部に、卒業生が就職の相談に行けるようにできないものでしょうか?ご見解をお聞かせください。

 

《鈴木商工労働観光部長の答弁》

 高校卒業生のUターン就職支援についてでございます。

 京都府では、将来のUターン就職に繋げるため、1・2年生向けの企業説明会を、毎年3月に、南部・北部各1回、10社規模で、京都労働局と連携し開催しております。
 特に北部地域では、教育委員会と連携して、平成26年度から、京都ジョブパークが学校へ出向き、就職支援メニューを説明した上で、卒業後の連絡先を登録、いわゆるUターン登録をいただきます取組を継続し、これまでに1,600名を超える方々に登録をいただきました。高校卒業後も、例えば帰省時に御参加いただける就職フェアなどの地元就職情報を定期的に案内いたしております。

 母校での就職相談については、Uターン人材の確保に繋がる御提案ですので、出身高校にそうした相談がございましたら、高校と連携して現地での出張相談会を開催するなど、今後とも、高校や教育委員会と連携し、Uターン就職を推進してまいります。

 

【質問④】高卒就職の「1人1社」ルールの見直し

 高校生の就職について、京都府教育委員会では受験を1社に絞るよう指導しておられます。

 これは国でも問題視されており、文科省と厚労省が共同でこの問題を検討しており、今年2月には「1人1社の慣行を見直すべき」という報告書が発表されています。

 コロナによって企業訪問や説明会、インターンシップが制限されている状況でもあり、早急に現在の指導を見直し、数社受験ができるようにした上で、希望者が100%就職できるよう企業に協力を求めていくべきかと考えますが、教育長のご見解をお聞かせください。

 

《橋本教育長の答弁》

 高校生の就職についてでございますが、現在、選考開始日から一定の期間に限り、1人の生徒が応募できる企業を一社として、いわゆる「1人1社制」により就職に係る指導を行っているところでございます。
 これは自ら企業に応募するのが一般的な大学生の就職活動とは異なり、高校生が就職活動に追われることなく学習に専念し充実した高校生活が送れるよう、学校推薦の形態をとっているものであります。応募企業先の選定にあたっては、企業の求める人材と生徒の希望や適性にミスマッチを起こさないよう、きめ細やかな指導を行い、安定した就職内定率につなげることができております。また、企業側からしても、内定辞退者が少ないことや、採用に係る費用が抑えられるなど、メリットがある制度でもあります。

 四方議員御指摘の報告書においては、卒業生、学校関係者、企業に対するアンケート結果において、「現行のままがよい」と答えた割合が7割近くある一方で、高校生の主体的な職業選択という観点や、現在の枠組みが、新たに高校生を採用しようとする企業等にとって、不透明でわかりにくいという声にも配慮する必要があるとされております。
 このことを受けて、各都道府県の状況に応じて必要な見直しを行っていくことが求められているところであり、京都労働局等の行政機関、教育機関及び経済団体で構成されている「京都府高等学校就職問題検討会議」において、高校生の就職に係る応募・推薦や就職支援について検討を行うこととしています。

 府教育委員会といたしましては、今後、関係諸団体と連携をし、よりよい仕組みについて検討を進めるとともに、コロナ禍においても、就職を希望する全ての高校生が、意欲を持って働き続けることができるよう支援に努めて参ります。

【要望①】コロナによる学校休校について

 最後に2点、要望させていただきます。
 まずは、コロナによる学校の休校についてです。4月の新学期を前に、府教委が再度の臨時休業を決められた際には「感染状況を鑑み、他地域とは別に中丹以北の学校は再開する」という判断をしていただき、厳しい状況の中でのご英断であったと評価いたします。

 今後も学校の休校については、地域の感染状況を考慮し、市町村の判断にもご配慮いただきたいと要望いたします。

 

【要望②】コロナ下での学校行事の実施への支援について

 もう1点は、学校でのクラブの大会や体育祭、文化祭、修学旅行等の学校行事の実施についてです。

 私は、学校行事は「実施する」という前提で、学校現場に経済的、精神的な後押しをしていただきたいと考えております。校長先生に対しては、様々なプレッシャーがかかり、対応に大変苦慮しておられるものと拝察いたします。

 修学旅行やバス遠足にしても、行く直前に学校から感染者が出て、キャンセルせざるを得なくなるという事態も考えられます。その場合、キャンセル料はどうなるのか?など、中止にしてしまえば悩まなくて良いことですが、子ども達のために、ギリギリまで実施できる方法を模索していただきたいと願っております。

 府教委として、学校の前向きな姿勢を支援するために、こういった場合のキャンセル料の負担など、学校現場への物心両面にわたる支援をお願いいたします。

 また、クラブ活動の大会等の実施に関して、今年は夏の高校野球も、ごく限られた生徒と保護者しか応援に入場できませんでした。秋はそれすら許されず、無観客で開催しておられますが、観てもらうことによって伸びる力というのもあると思いますし、子どもの活躍を目の前で観たいという親御さんの気持ちにも応えられるように、応援に関しても屋外はもう少し緩和するとか、積極的な検討がなされるよう京都府と京都府教育委員会からのご支援もお願いし、質問を終えさせていただきます。ありがとうございました。


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府域の均衡ある発展を問う(一般質問①)

2020年09月23日 | 京都府議会

 23日㈬、朝から府議会へ。12時半からの団会議を経て、午後の一般質問に登壇した。

 質問項目は2つ。

  1. コロナ後において、府庁の北部移転等、府域の均衡ある発展を目指す取り組み姿勢の変化について
  2. 若者と雇用について

 質問と答弁の要旨下記の通りです。(長文になりますので、2については別の記事で掲載します)

 

【質問】コロナ後、府域の均衡ある発展を目指す取り組み姿勢の変化について

 今年2月の代表質問以来、約半年ぶりの登壇ですが、この間、コロナによって府政を取り巻く環境は大きく変わりました。
 第一波から第二波になったときもそうですが、地方では感染者ゼロが続き、これで収束かと思っていたら、東京、大阪という大都市が動き出した途端、感染が再拡大し、周辺都市、地方に広がっております。大都市への人口集中を解消しない限り、この手のウイルスを抑え込んで共存することはできません。
 京都府においても、京都市に人口が一極集中しており、多くの感染は京都市で発生しております。京都市への人口一極集中の解消に取り組まずして、「新しい生活様式」への協力だけを求めても、府民の賛同は得られないでしょう。先の見えない闇の中にいる今こそ、希望の光となる大胆な施策を打ち出していただきたいと要望します。

 以前から私が申し上げている「府庁の北部移転」や「北部府庁の創設」、また「副知事が一人は北部に住むこと」など、今こそ真剣に検討すべきです。その実現のためには、遅れている南北の公共交通網の構築が重要であり、「山陰本線の複線化」や「京都縦貫自動車道の強化」など、大型の交通インフラ整備も急務であります。

 「アフターコロナ」と言われます。「コロナ」の前と後では、私の質問に対する答弁も、これまでと同じではなく、大きく変わらなければならないと考えます。
 「府庁の北部移転」「北部府庁の創設」「副知事の北部常駐」「山陰本線の複線化」「京都縦貫自動車道の強化」「北部に府立医大附属病院と同レベルの病院開設」などの推進について、コロナの前後で京都府の認識はどう変わったのか、もしくは変わりがないのか、知事のご見解をお聞かせください。

 

《西脇知事の答弁》

 府域の均衡ある発展についてでございます。
 京都府では、府域の均衡ある発展を府政の重点課題に掲げ、交通インフラ等の社会基盤を整備するとともに、府北部から南部に至るまで、それぞれの地域の個性や魅力を生かした活性化策を進めるなど、全庁を挙げて取り組んでまいりました。

 その結果、府北部地域においては、海の京都エリアにおける観光入込客数が1,000万人を超え、観光消費額も増加するという成果につながっており、また一昨年に開設した北部産業創造センターは、昨年度の利用者が約2万8,000人と、前年度の倍以上に増加し、北部地域の産業の交流の拠点として、多くの地元企業などにご利用頂いております。

 四方議員には、これまでから、北部地域の振興に関する積極的な提案を数々いただいております。北部地域の振興は、府域の均衡ある発展にとっては不可欠であり、私自身がリーダーシップを発揮して全庁を動かし、組織の総力を挙げて取り組まなければならない課題と認識をしております。

 今般のコロナ禍においては、大都市における過度な人口集中が抱えるリスクの顕在化や、地方への分散の気運の高まり、リモートワークなどの場所を問わない働き方の浸透、若者の地方移住への関心の増加、二地域居住・ワーケーション等、新たなライフスタイルへの変化などが言われておりますが、こうした社会の変化の兆しを逃さず、北部地域のさらなる発展へと着実に生かしていくことが重要であり、ひいては東京一極集中の是正にもつながるものと考えております。

 このためにも、まずは、山陰本線の複線化に向けた利用促進策や、京都縦貫自動車道の利便性向上に向けたネクスコ西日本への移管、京都舞鶴港の国際ふ頭Ⅱ期整備の推進など、北部地域のさらなる発展につながる基盤づくりや、近年の豪雨災害等を踏まえた総合的な治水対策、「京都府医師確保計画」に基づく医師確保対策など、北部地域の皆様が安心して暮らせる環境整備に、引き続き、全力で取り組んでまいりたいと考えております。

 さらに今後、庁内に設置した検討チームにおける新たな戦略づくりの中で、新しい移住政策をはじめ、POSTコロナ時代にふさわしい北部の地域振興についても検討を進め、取組を強化してまいりたいと考えております。

【質問】「北部人事」に関して

 職員が北部で勤務しやすくするためには、鉄道、道路の整備と共に「府庁と出先機関で最大3倍もの格差が生じている職員の地域手当」や「北部で働くことが様々な点で不利となる北部人事」の解消も大きな課題であります。

 以前、予算特別委員会で「北部人事」について取り上げた際、当時の山内副知事は「土木職や専門性の高い職種では、既に昇進システムの中に北部勤務を位置づけているが、北部勤務は住宅環境や子どもの教育という点で京都市内とは格差があり、現状では円滑な人事異動が難しい。そういったことの整備も進めながら、土木職や専門職以外の職員の昇進システムにも北部勤務を位置づける必要があるのではないか」と答弁されました。

 それから3年以上が経ちました。この間、「北部に良い人材が回るような職員の昇進システムの見直し」は、どのように進められ、どういう実績が出ているのでしょうか?お答えください。

 

《西脇知事の答弁》

 京都府職員の北部地域の昇任システムについてでございます。職員の人事異動につきましては、それぞれの職員の意欲・能力や経験などを踏まえ、課題に迅速・的確に対応できる執行体制を確立するため、概ね3年から5年を基準として、行っているところでございます。

 北部地域におきましては、現在、この地域で勤務する職員の年齢構成を見ますと、30歳代・40歳代が少ない状況が続いており、全職員では37.7%を占めているのに対し、北部地域では29.7%に止まっていることから、組織を牽引する将来的なリーダーの育成という点において課題がございます。

 このため、これまでから土木職などの技術職員については、北部地域での勤務経験を、昇任に際し必要なキャリアの一つとしてきた人事管理手法を、平成29年度の四方議員のご指摘も踏まえ、事務職員についても取り入れ、この間、人事異動を行ってきたところでございます。
 その結果、北部地域と本庁との間で行う人事異動で、係長以上のいわゆるライン職に昇任している職員は、平成29年度と比べて、12名から20名に増加をいたしました。

 また、北部地域管内で人事異動を続けている職員につきましては、視野を府域全体に拡げ、企画立案業務を経験させるために、本庁に配置し、再び北部の地域機関において、優れたリーダーとして組織を引っ張っていくことができるような取組も拡大をさせております。

 引き続き、本庁と北部地域との間の人事異動を積極的に行うとともに、例えば、北部地域に住みながら、転居を行わず本庁の企画立案業務を行うことができる、リモートワークを活用した「新しい人事異動」についても研究しているところであり、今後とも適材適所の人事に努めてまいりたいと考えております。

 

…つづく

https://blog.goo.ne.jp/gentarou-ayabe/e/ba17b9ba39bb66d88153bce5d35119a1


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