28日㈫、午前中の宇治市での視察を終えて、午後は高速道路を北へ走り、福井県敦賀市に向かった。
途中、滋賀県では雪に覆われた伊吹山が見えたが、例年よりも雪が少ない感じがした。さらに北上すると浅井長政とお市の方の悲話が残る小谷城跡も見えた。
敦賀市役所は令和4年に新築されており、立派な庁舎だった。敦賀市議会の山本武志副議長に迎えていただいた。
敦賀市での調査テーマは「食文化ストーリー創出・発信事業 敦賀のおぼろ昆布加工技術保護と継承に向けて」で敦賀市教育委員会文化振興課の奥村香子さんから説明を受けた。学生時代は京都で8年過ごされたとおっしゃっていた。
最初に「おぼろ昆布を召し上がったことがある方は手を挙げてください」と言われて、私も含めてほぼ全員が手を挙げた。「さすが京都の方々ですね!」と褒められたが、話を聴いていくにつれて「おぼろ昆布」と「とろろ昆布」の違いが分かっていなかったと気がついた。
「おぼろ昆布」は酢漬けにした昆布の表面を刃物(アキタと言う)で削り出して面状にしたものを指し、その端切れなどを固めて機械で削ったものは「とろろ昆布」と言うようだ。私が食べたことがあるのは、たぶん「とろろ昆布」だろう。
「おぼろ昆布」の生産は敦賀市が全国8割のシェアを占めていて、今年、国登録無形民俗文化財に選ばれることが決まっている。
敦賀は本州のほぼ真ん中で琵琶湖の真北に位置しており、北海道から昆布を送り、京都に届けるのに最適地だったことで、古来から細工昆布(おぼろ昆布、とろろ昆布の総称)が盛んに作られてきたそうだ。
しかし、現在は徐々に作り手が減っており、今後はこれを未来に残すための方策を検討しておられると教えていただいた。文化振興課の職員さんでありながら、商工振興課のようなお話もされるので、「縦割り感覚を持たない優秀な方」だと思った。
敦賀市での視察を終え、そのままバスで宿泊地である金沢市に向かった。
金沢市に向かう途中は何度か吹雪に見舞われたが、金沢市内にはほとんど雪が積もっていなかった。北陸は豪雪なのかと思っていたら、ここ数年は北陸も「温暖化」らしい。
しかし、夜になると雪が降ってきて、みるみるうちに積もっていった。