大歩危(おおぼけ)から 阿波池田へ。
ここから次の坂出・高松行き各駅停車が来る
まで1時間半もあったので、町中を門付けする。
アーケードの商店街は100mもない。ほとんど
シャッターが閉まっている。お盆休みで 開いて
いる店は数軒ほど。人影は まばら。
でもこういう町が虚無僧には ふさわしい。
開いている店はたいてい布施をしてくださる。
通行人のご婦人が、「これって何ですか?」と
聞いてくる。「尺八です」。「すてきな音が
出るんですね」。
商店はすぐ尽き、住宅街を回る。
戸が開いている家を目当てに、戸口に立って吹く。
「おや、虚無僧さん。珍しいね」
「昔はよく来たよ。子供心に怖いと思ったけれど
親から、コレ渡してこいと言われて、こわごわ
差し出したっけ」
「句会に出す俳句を考えていたところ。いい句が
できたワ」「いい音色だね」「心に沁みるね」
「尺八の音には 哀愁があるね」
「暑いのに ご苦労さま」
こんな言葉を次々とかけてくださる。忘れられた
古き良きニッポンの心が、ここはまだあった。
自分でも、音色が変わった気がする。ここでの
尺八の音は まぁるい響きだ。尺八の音は、
その場の雰囲気、聞いてくださる方の気持が
引き出してくれる気がする。
最後にいい思いをたくさんさせていただいて、
坂出から瀬戸大橋を渡り、岡山、姫路、米原の
ルートで帰路につく。
ここから次の坂出・高松行き各駅停車が来る
まで1時間半もあったので、町中を門付けする。
アーケードの商店街は100mもない。ほとんど
シャッターが閉まっている。お盆休みで 開いて
いる店は数軒ほど。人影は まばら。
でもこういう町が虚無僧には ふさわしい。
開いている店はたいてい布施をしてくださる。
通行人のご婦人が、「これって何ですか?」と
聞いてくる。「尺八です」。「すてきな音が
出るんですね」。
商店はすぐ尽き、住宅街を回る。
戸が開いている家を目当てに、戸口に立って吹く。
「おや、虚無僧さん。珍しいね」
「昔はよく来たよ。子供心に怖いと思ったけれど
親から、コレ渡してこいと言われて、こわごわ
差し出したっけ」
「句会に出す俳句を考えていたところ。いい句が
できたワ」「いい音色だね」「心に沁みるね」
「尺八の音には 哀愁があるね」
「暑いのに ご苦労さま」
こんな言葉を次々とかけてくださる。忘れられた
古き良きニッポンの心が、ここはまだあった。
自分でも、音色が変わった気がする。ここでの
尺八の音は まぁるい響きだ。尺八の音は、
その場の雰囲気、聞いてくださる方の気持が
引き出してくれる気がする。
最後にいい思いをたくさんさせていただいて、
坂出から瀬戸大橋を渡り、岡山、姫路、米原の
ルートで帰路につく。