現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

⑰ 収支決算

2008-08-20 09:55:35 | H20./8月 四国の旅
遍路のための宿は安いが、それでも一日1万円は
かかるという。名古屋からの交通費だけでも、
新幹線や特急を利用すれば 5万円以上。7日間
の旅なら10万は必要だ。それが 15,000円で行って
これた。

まず、前日に 長縄氏が「月謝の前払い」として
2万円を置いていってくれたことに感謝。いつも
必要な分だけ入ってくる不思議である。

これで 11,500円の青春18切符を買った。これは
各駅停車しか乗れないので、途中 先を急いで
特急に乗ったり、バスに乗ったため、交通費は
結局 19,000円になった。

6泊中 1泊は ビジネスホテルに泊った。宿泊費と
コインランドリーで、4,000円。あとは野宿。

食事は、三人の方にご馳走になった。それ以外は
105円のパンを三つ買っただけ。普段から一日一食。
虚無僧で周っていると 不思議とお腹が空かない。

しかし、あまりの暑さで、毎日 自販機で飲料水を
買って飲んだ。一日5本としても 600円。7日で
4,000円にもなった。

なんだかんだで、総経費は 27,000円。帰宅して
手元の所持金は 5,000円。差し引き 12,000円が
篤志家の方からいただいたお金ということになる。


⑯遍路と一路

2008-08-20 09:08:04 | H20./8月 四国の旅
「遍路ですか?」「いえ一路です」
「遍路なら 360円です」「じゃ遍路です」
鴨島の「鴨の湯」でのジョーク。

私は“遍路”だったのだろうか?。

一応、1番から5番までは周ったが、山門の外で
尺八を吹いただけで、お参りはしなかった。

お寺では、まず受付があって、納札と朱印帖を差し
出して お金を納めなければならない。献奏させて
いただくにもお金が要るようだ。

四国遍路は、一日1万はかかるという。観光バスや
タクシーに乗り、それなりのホテルに泊れば 100万
かかる。払える人はそれでいい。
功なり名を成しとげての四国遍路。お金を出しての
朱印帖も満願成就の証だ。
一方で、無銭の 乞食遍路もいるらしい。
いろいろな選択肢があっていい。

私には、お寺にお参りすることより、歩くことが
第一義と思えてきた。本来、弘法大師の足跡を辿る
旅であって、88カ“寺”ではなく 88カ“所”巡りだ。

行く先々で、篤い志を受けたり、また冷たい仕打ちを
受けることもあったり、酸いも甘いも辛いも体験する
修行の道だ。弘法大師に近づく追体験なら、大師は
満濃池を築いて 人々の難儀を救ったり、仏心の覚醒を
与えている。自分も、世のため人の為になるよう、
徳と人格を 磨かねばならない。そんな旅ができるのが
虚無僧だ。大師の追体験をするには、虚無僧は 最も
理に適った手段と思えてきた。



⑮まとめ

2008-08-20 06:06:10 | H20./8月 四国の旅
ここからはテーマ別にまとめて書いてみよう。

北京オリンピックも 高校野球の熱狂にも 背を
向けての 四国の旅。多くの人の篤志に甘えて、
無事 思いを遂げて帰宅できた。生かされている
ことへの感謝である。

以前、「尺八吹けなくなったら、歩き遍路で
野たれ死にしよう」などと書いたら、松山の
桜さんから「すぐ救急車が来て病院に運ばれ
ますから、野たれ死になんかできません」と
のコメントをいただいた。

まさに、現実はそうだった。こんな所で 野タレ
死になんかできない。皆さんに余計な迷惑が
かかる。“野タレ死にしないような生き方を
しなければ”との思いを強くして帰ってきた。

⑮ 番外編 近江長浜

2008-08-20 05:54:12 | H20./8月 四国の旅
岡山から姫路までの快速は超満員。立ち
姫路で 幸い座れたら、大阪も京都も バク睡
して 記憶にない。
終点米原駅で降り、さらに最終で長浜へ。

長浜の駅舎は新しくきれい。一階にも待合室が
あってベンチで寝れる。駅員からもお咎めなし。

翌日、市内を周る。浄土真宗の東本願寺派の
御坊があって、門前町は結構な賑わいだ。
お盆休み最後の行楽客か。

半日ほど周って、名古屋に帰る。1週間ぶり
の名古屋。やはり名古屋は明るくキレイだ。
女性もはじけている。みな私の方をみて、
ニコニコ笑顔になる。「見て見て」と指を
差す人も。駅構内を歩いているだけで、篤志
を差し出してくれる人も。すっかりいい気分
になって、また3時間ほど 駅前に立つ。

四国の旅で、変わったはずの音色が、いつしか
また名古屋の音に変わっていた。でも四国で
培った響きは 忘れていない。