現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

いつまでたっても最年少

2013-08-20 22:13:52 | 筝尺八演奏家
私の初舞台は15歳の時。山室信朗叔父について
千葉の三曲連盟の大会に出させてもらった。
当時でも尺八家といえば“年寄り”ばかりの中で、
ダントツ最年少。浮いた存在だった。

18歳の時、明暗本曲の「冨森虚山坊」師に
入門し、本曲の会などに出させていただいた。
当然 最年少。当時、私の叔父も先輩諸氏も
40~50代。60代となると、もう「ご老人」で
ご隠居さんだった。私も60になったら引退し、
舞台に立つのは やめようと思っていた。

あれから50年。私の師匠も、叔父も先輩諸氏も
皆鬼籍に入り、三曲界や虚無僧研究会では、私は
未だに最年少のぶるい。

そしてあと20年で「誰もいなくなる」のだ。

田中隆文氏の努力も空しく『邦楽ジャーナル』も
存続の危機に直面している。われわれ邦楽演奏家の
責任だ。




伝統とは?

2013-08-20 21:32:20 | 筝尺八演奏家
何十年も前のこと。国際交流基金のトップに就任した
○○氏の「就任挨拶」。

「日本文化というと“お茶やお華や能や琴の紹介”と
思っているが、そういう考えはもうやめるべきである。
それらは もう日本人の日常生活とは かけ離れている。
そうしたものばかり 外国に紹介すると、日本人は
みな着物を着、三味線や琴を弾き、尺八を吹いている
という誤解を受ける。現実の日本の姿を紹介すべきで
ある」

というような主旨だった。なるほど、たしかに、今や
日本の文化は「アニメ」であり「Jポップ」だ。

国際交流基金の助成団体を見ても、もはや劇団や
舞踊、音楽など“現代の日本文化”が中心で、
純邦楽(古典)などはない。

ちなみに、現代流行の「太鼓」や「津軽三味線」、
「よさこい踊り」などの民謡や踊りは、私が考える
“純邦楽”の範疇ではない。尺八は「藤原道山」や
「き乃はち」が助成金を受けているが、古典を
脱却した現代音楽ならばこそであろう。

「虚無僧のロシア公演」には、助成金は出ないのだ。


かつて、私が慶応高校の時、「古典芸能研究会」を
創ろうとして、「池田弥三郎」氏に顧問をお願いしに
いったら、「時代に受け入れられないものは廃れて
当然。廃れていくものを守ろうとする必要はない。
それは伝統ではなく保存だ」と断られた。

当時、“滅びる”と思われた歌舞伎や狂言は 今 “大人気”。
一方、能、浄瑠璃、文楽、琴、三味線、尺八は 絶滅の
危機に瀕している。

邦楽が廃れるのは、時代に受け入れられる努力をしない
邦楽界の責任。と判ってはいても、何をどうしたら
よいのか思案するばかり。




安物買いの銭失い

2013-08-20 11:12:18 | 私の尺八遍歴
ヤフオクで「絽(ろ)の紋付」5着 1,000円で落札。
夏場に紋付を着ることなどめったに無いのだが、
なんぞの時のためにと買い求めた。

今日、品物が到着。わくわくしながら開いてみたら、
ガ~ン、全部「女物」。男女の別まで考え及ばす。

古布のパッチワークなどに入用な方に差し上げます。

以前、「絽の僧衣」を入手したら、一日でボロボロに。
「講演」を終えて帰る頃には「破れ衣に破れ笠」の
一休さんになってしもうた。