ケイの読書日記

個人が書く書評

東川篤哉 「魔法使いは完全犯罪の夢を見るか?」

2016-06-01 16:10:39 | 東川篤哉
 八王子市警察の若手刑事・小山田聡介と、その美人上司・椿木綾乃警部、そして魔法使いのマリィが主な登場人物。
 4つの中編が収録されているが、すべて倒叙ミステリ。つまり最初から犯人は分かっている。その犯人が計画した完全犯罪を、どうやって暴いていくか…魔法美少女マリィの手を借りて、小山田聡介が奮闘する。

 ツマラナイわけでもないが、それほど面白くもない。トリック崩しについては、東川篤哉だからキチンとしている。「犯人は彼でしかありえない」それを立証していく道筋は、論理的でさすが。特に2作目の『魔法使いと失くしたボタン』は、駐車場のスペースとかボタンが効果的に使われていて、秀作。
 しかし、キャラがパッとしない。
 魔法使いなんて斬新じゃない?! と思われるかもしれないが、若くて綺麗で可愛くて、でもちょっと気が強い女の子なんで、いつもと同じパターン。もう、飽きちゃったよ。
 もっと…そうだなぁ、オタク系とかコミュ障系のマイナーな女の子を登場させた方が、面白いんじゃないかな?
 それに、やっぱり推理小説に魔法使いは邪道でしょう。

 自分の体調が悪いせいか、東川篤哉なのにどうも楽しめなかった1冊。



*** 今日の午前中、総合病院に行ってきた。めまいがあまり改善しないので薬を変えてもらいたいと、お医者さんに伝えようと思って。しかし、お医者さんの言うには「この病気は、薬を飲んで安静にしていれば治る訳ではない。自分でリハビリをして、身体を慣らしてみて」
 なるほど、動いて、この揺れに自分の身体を慣らせばいいのか。そういえば、船酔いだって、船は相変わらず揺れているのに、だんだん身体が慣れて苦で無くなってくるもんね、と納得した。
コメント (2)
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