山前譲が選んだ猫にまつわるミステリーのアンソロジー。
収録作品は、下記の通り。
赤川次郎 「保健室の午後」
小池真理子 「共犯関係」
加納朋子 「猫の家のアリス」
倉知淳 「猫と死の街」
柴田よしき 「光る爪」
黒崎緑 「見えない猫」
仁木悦子 「一匹や二匹」
最初の赤川次郎の「保健室の午後」が、あまりにも退屈だったので(失礼!)読む気が失せる。三毛猫ホームズ物だけど、駄作だと思う。三毛猫ホームズだったらたくさん作品があるのに、なぜこれを選んだのかな?
倉知淳「猫と死の街」では、わーい!猫丸先輩が出てくるゾと楽しみにして読んでいたのに…女子大生とその後輩が探偵役でがっかり。
どの作品も、猫は素晴らしく魅力的に描かれているが、肝心のミステリの方がイマイチ。
この中で一番ミステリアスだったのは、黒崎緑「見えない猫」かな。ラストが印象的。ポーの「黒猫」を少し思い出す。
一番出来のいい作品は、仁木悦子の「一匹や二匹」だと思う。
仁木悦子という人は、日本初の本格派女流推理作家として有名な人らしく、私も名前だけは知っていた。作品を読むのは初めて。
小学校6年生が主人公で、児童文学としても優れていると思う。学校の課題図書にしたいくらい。(殺人事件があるからダメだろうが)
子どもたちの生態もいきいき描かれているし、拾われた子猫も、いい小道具になっている。
仁木悦子の他の作品も読みたいな。