スクールカーストって言葉、知ってます? 私は少し前に知ったんだけど、あまりにも物事の本質をズバッと言い当てているので、本当に驚いた。
この「しろいろの街の…」という小説の中には、一度もスクールカーストという単語は出てこない。でも、スクールカーストのあまりにも生々しい実態が描かれていて、読んでいて気分が悪くなるほど。
よほど鈍感な人でもない限り、多くの人に思い当たる事があるんじゃないだろうか?
そのスクールカースト以外にも、女の子が男の子に性的虐待をする場面が数回でてくる。まあ、小学校の頃など、男の子より女の子の方が身体も大きいし早熟で、性的興味を多く持っているだろうから、不思議はないけど。
筆者は、それを大きな比重で書いているが、私はこの部分にはさほど興味をひかれなかった。それほど、このスクールカーストの描写はすざましい。
小学校4年生の時「クラスが離れても親友だよ」と、おそろいのブレスレットをつけた女の子3人が、中学校に入ると立場が激変。それぞれ5つのグループの最上位と最下位、下から2番目のグループに組み込まれる。
最上位と下から2番目のグループにいる女の子たちは、最下位Gにいる女の子と、昔、友達だった事を知られまいと必死。人のいる所では完全無視。
しかし、無視する側にいる女の子たちも安泰ではない。クラス一番の権力を持つ女の子ににらまれ、クラス中から無視されるようになる。
「道徳の教科書に何度書かれても、私たちは教室を支配する大きな力に逆らえない」下から2番目のGにいる女の子の言葉。
そうだよね。よく分かる。人間はもともと不完全なもの。その人間が40人近く集まって、調和のとれたクラスが出来る訳がない。できたと思えるのは錯覚。尾木ママだって分かってるよ。
ただ、学校内でのカーストが、実世界でのカーストに、そのまま横滑りするわけじゃない。特に男の子はガラッと変わる。地味な男の子が、社会人になりすごく立派になって驚くことがよくある。
その逆に、クラス内で女王様のように振る舞っていた女の子が、すごく地味でくすんだ存在になっていて驚くこともある。
小説内の最下位Gの信子ちゃんという女の子、髪がぼさぼさで顔が脂ぎってふとっており、空気が読めないとこなんか、私、自分の事を思い出しちゃうなぁ。私、本当にニキビだらけだったからなぁ。
じゃあ、かわい子ちゃんだったら、中学時代に戻りたい? 自分で自分に問う。イヤだね。無理。本当にきつかった。
中学が嫌いというより、あの時の自分が嫌いです。