図書館の書架で、佐野洋子の本を見つけると、どうしても借りてしまう。この本はエッセイというより、雑文短編集だね。
読んでいて、こんなお金大好き・男大好きの人が、よく絵本なんか描けるなぁと思うけど、『100万回生きた猫』『おじさんのかさ』『だってだってのおばあさん』なんて、絵本に興味のない私でも、好きです。
絵本作家っていうと、赤毛のアンが大きくなったような、空想が大好きで「ごきげんよう」と挨拶して、霞を食べて生活しているような人を想像するが…それはこっちの思い込みだよね。
絵本作家が、あまりに浮世の欲にまみれた文章などを書くと、こっちは混乱する。
例えば、この短編集の中に『ポリバケツの男』という話がある。
…そして、私は何もしないで、ちいさなバルコニーから海を見ています。エーゲ海だぞ。笑いが止まらない。誰にも言ってないけど、私の新しい絵本、あと10万部で『ノルウェイの森』に追いつくって。アッハハハ。桜ヶ丘の銀行に、毎日カタカタ、コンピュータが0を増やしているはずです。…(本文より抜粋)
この話って、本当かなぁ?佐野洋子の絵本で一番売れたのは『100万回生きた猫』だろうけど、あと10万部で『ノルウェイの森』に追いつくなんて。いくらなんでも、そこまで絵本が売れるだろうか?
確かに、絵本って単価が高いから、印税も多くなると思う。そりゃ、笑いが止まらないだろうよ。
いいなぁ、才能のある人は!
他にも、佐野洋子の武蔵野美大時代の話も出てくる。1934年生まれの佐野だから、学生時代といっても1952年~56年か…。日本全体が貧しい時代だったけど、美大というのはお金がすごくかかるから、金持ちの子弟子女が多い。宿題の作品を、大豪邸の友達の家の離れで制作して、食事は女中さんが鍋焼きうどんを運んできて…なんて記述があったなぁ。
佐野洋子は、美大時代、たぶん突出して貧しかっただろうけど、突出して才能があった。すごいなぁ。
読んでいて、こんなお金大好き・男大好きの人が、よく絵本なんか描けるなぁと思うけど、『100万回生きた猫』『おじさんのかさ』『だってだってのおばあさん』なんて、絵本に興味のない私でも、好きです。
絵本作家っていうと、赤毛のアンが大きくなったような、空想が大好きで「ごきげんよう」と挨拶して、霞を食べて生活しているような人を想像するが…それはこっちの思い込みだよね。
絵本作家が、あまりに浮世の欲にまみれた文章などを書くと、こっちは混乱する。
例えば、この短編集の中に『ポリバケツの男』という話がある。
…そして、私は何もしないで、ちいさなバルコニーから海を見ています。エーゲ海だぞ。笑いが止まらない。誰にも言ってないけど、私の新しい絵本、あと10万部で『ノルウェイの森』に追いつくって。アッハハハ。桜ヶ丘の銀行に、毎日カタカタ、コンピュータが0を増やしているはずです。…(本文より抜粋)
この話って、本当かなぁ?佐野洋子の絵本で一番売れたのは『100万回生きた猫』だろうけど、あと10万部で『ノルウェイの森』に追いつくなんて。いくらなんでも、そこまで絵本が売れるだろうか?
確かに、絵本って単価が高いから、印税も多くなると思う。そりゃ、笑いが止まらないだろうよ。
いいなぁ、才能のある人は!
他にも、佐野洋子の武蔵野美大時代の話も出てくる。1934年生まれの佐野だから、学生時代といっても1952年~56年か…。日本全体が貧しい時代だったけど、美大というのはお金がすごくかかるから、金持ちの子弟子女が多い。宿題の作品を、大豪邸の友達の家の離れで制作して、食事は女中さんが鍋焼きうどんを運んできて…なんて記述があったなぁ。
佐野洋子は、美大時代、たぶん突出して貧しかっただろうけど、突出して才能があった。すごいなぁ。