漱石が自宅で執筆をしていると、門下生の鈴木三重吉から「文鳥を飼ったら?」と勧められる。
読んでいる最中、そういえば私の母も、私が子供の頃、小鳥を飼っていたなと思い出した。母は猫も大好きで飼っていたのに、どうして小鳥も飼うんだろうかと怪訝に思うが、生き物の好きな人だったんだろう。
こういう所は、群ようこさんのお母さんに似てるね。中年女って皆、似てくるんだろうか?
ただ、我が家のこの小鳥は、猫ではなく蛇に殺された。丸のみにされて。軒下に鳥籠をつるしてあったので、猫からの攻撃は防げたが、蛇は柱を伝ってにじり寄ってくるから。
話を戻そう。漱石の文鳥は、三重吉の肝いりということもあり、手厚く迎えられた。鳥籠は特注品で、籠の名人が作ったもの。その台が漆塗りの立派な鳥籠の他、粗末な鳥籠もある。粗末なものは、鳥を行水させる時、使うらしい。小鳥って行水するんだね。(ずいぶん昔、私が中学生の時に、校庭の水飲み場でカラスが行水するのを目撃したことがあるけど)
その他、特注の箱もある。夜、冷えるから小鳥が凍えないように、この箱に入れて寒さをしのぐらしい。
こうやって文鳥は大切にされていた。漱石先生が世話をしたりしなかったりなので、家の人が気をきかせて、箱から出して縁側に置いて、餌も水も新しくすることもあった。
ある時、漱石先生は三重吉に呼び出され、長話をする。次の日の約束もしてしまい、帰ったのは次の日の午後3時ごろ。縁側の鳥籠をのぞいてみると文鳥は死んでいた。籠の底にそっくり返って。餌つぼには粟のカラばかりがたまって、実のある粟は1粒もない。水入れにも水はなし。餓死したらしい。
小さな身体の小鳥は、1日食べないと、人間が10日間絶食したのと同じなんだってね。以前、知人から聞いた事がある。
しかし、この後がいただけない。漱石先生、悲しみに打ちひしがれるが、自分の事は棚に上げて「家の者が餌をやらないから文鳥はとうとう死んでしまった」と文句たらたら。三重吉にもハガキで愚痴る。
だいだい、アンタが悪いんじゃない?! アンタが世話ができないなら、ちゃんとお世話係を決めておきなさいよ!! こういう所が、漱石先生なんだよね。
読んでいる最中、そういえば私の母も、私が子供の頃、小鳥を飼っていたなと思い出した。母は猫も大好きで飼っていたのに、どうして小鳥も飼うんだろうかと怪訝に思うが、生き物の好きな人だったんだろう。
こういう所は、群ようこさんのお母さんに似てるね。中年女って皆、似てくるんだろうか?
ただ、我が家のこの小鳥は、猫ではなく蛇に殺された。丸のみにされて。軒下に鳥籠をつるしてあったので、猫からの攻撃は防げたが、蛇は柱を伝ってにじり寄ってくるから。
話を戻そう。漱石の文鳥は、三重吉の肝いりということもあり、手厚く迎えられた。鳥籠は特注品で、籠の名人が作ったもの。その台が漆塗りの立派な鳥籠の他、粗末な鳥籠もある。粗末なものは、鳥を行水させる時、使うらしい。小鳥って行水するんだね。(ずいぶん昔、私が中学生の時に、校庭の水飲み場でカラスが行水するのを目撃したことがあるけど)
その他、特注の箱もある。夜、冷えるから小鳥が凍えないように、この箱に入れて寒さをしのぐらしい。
こうやって文鳥は大切にされていた。漱石先生が世話をしたりしなかったりなので、家の人が気をきかせて、箱から出して縁側に置いて、餌も水も新しくすることもあった。
ある時、漱石先生は三重吉に呼び出され、長話をする。次の日の約束もしてしまい、帰ったのは次の日の午後3時ごろ。縁側の鳥籠をのぞいてみると文鳥は死んでいた。籠の底にそっくり返って。餌つぼには粟のカラばかりがたまって、実のある粟は1粒もない。水入れにも水はなし。餓死したらしい。
小さな身体の小鳥は、1日食べないと、人間が10日間絶食したのと同じなんだってね。以前、知人から聞いた事がある。
しかし、この後がいただけない。漱石先生、悲しみに打ちひしがれるが、自分の事は棚に上げて「家の者が餌をやらないから文鳥はとうとう死んでしまった」と文句たらたら。三重吉にもハガキで愚痴る。
だいだい、アンタが悪いんじゃない?! アンタが世話ができないなら、ちゃんとお世話係を決めておきなさいよ!! こういう所が、漱石先生なんだよね。