翻訳物の古典ミステリの解説を読んでいると、このメースンの「矢の家」が必ず紹介されているので、私も読むのがとても楽しみだった。
ハーロウ夫人が亡くなり、その遺産は養女のベティに残された。ところが夫人の義弟ワベルスキーが恐喝に失敗すると、ベティが夫人を毒殺したのだと告発。
はたして真実はいかに?
読後の正直な感想。 うーーーん、ビミョウ。
本格として期待して読むとガッカリするかも。トリックらしいトリックも使われないし、(犯人は最後まで伏せられてはいるが)主要な登場人物が少ないので、犯人が誰かすぐ分かってしまう。
ただ心理サスペンスとしては素晴らしい。探偵アノーと犯人との息詰まるような駆け引き、そこにボケ弁護士がからんで、すざましい神経戦と言うか心理戦が展開する。舞台で見るとさぞ見ものだろう。
そういえば、この作者メースンは本業は劇作家のようだ。容姿がとても良かったので、若い頃は自分も舞台に立っていたそうだ。
この作品は舞台がフランスで登場人物もフランス人が多いが、作者はイギリス人、語り手になっている弁護士もイギリス人なので、多分にイギリス的なんだろう、アガザ・クリスティを思い出す。
そういえば、クリスティの作品にもよく登場してくるが、この作品にも"コンパニオン"が登場し主要な役割をはたしている。
日本の"コンパニオン”と違い、お金で雇われたお金持ちのお嬢さん相手のお友達。零落した良家の子女がなるようだ。イギリスもフランスも階級社会だから、家柄はしっかりしているだろうがお金に困っている女性が、同じ年恰好の同じ階級のお嬢さんに気に入られ、そこの家に寄宿する。
お金でお友達を雇うなんて、日本ではちょっと考えられないなぁ。
ハーロウ夫人が亡くなり、その遺産は養女のベティに残された。ところが夫人の義弟ワベルスキーが恐喝に失敗すると、ベティが夫人を毒殺したのだと告発。
はたして真実はいかに?
読後の正直な感想。 うーーーん、ビミョウ。
本格として期待して読むとガッカリするかも。トリックらしいトリックも使われないし、(犯人は最後まで伏せられてはいるが)主要な登場人物が少ないので、犯人が誰かすぐ分かってしまう。
ただ心理サスペンスとしては素晴らしい。探偵アノーと犯人との息詰まるような駆け引き、そこにボケ弁護士がからんで、すざましい神経戦と言うか心理戦が展開する。舞台で見るとさぞ見ものだろう。
そういえば、この作者メースンは本業は劇作家のようだ。容姿がとても良かったので、若い頃は自分も舞台に立っていたそうだ。
この作品は舞台がフランスで登場人物もフランス人が多いが、作者はイギリス人、語り手になっている弁護士もイギリス人なので、多分にイギリス的なんだろう、アガザ・クリスティを思い出す。
そういえば、クリスティの作品にもよく登場してくるが、この作品にも"コンパニオン"が登場し主要な役割をはたしている。
日本の"コンパニオン”と違い、お金で雇われたお金持ちのお嬢さん相手のお友達。零落した良家の子女がなるようだ。イギリスもフランスも階級社会だから、家柄はしっかりしているだろうがお金に困っている女性が、同じ年恰好の同じ階級のお嬢さんに気に入られ、そこの家に寄宿する。
お金でお友達を雇うなんて、日本ではちょっと考えられないなぁ。