長い。とにかくひたすら長い。上下巻総原稿枚数2500枚。京極夏彦より長い。平易な文章だから読みやすいが、途中で面白さが薄くなってくる気がする。
九州の山深く、外界から隔絶された湖の小島に建つ異形の館―暗黒館。光沢の無い黒一色に塗られたこの屋敷を、そこの当主の息子に招かれて訪れた大学生・中也は<ダリヤの日>の奇妙な宴に参加する。
デビュー作「十角館の殺人」(1987年)では新本格派として意欲に満ち溢れていたが、この「暗黒館の殺人」(2004年)では作風があまりにも奥さんの小野不由美に似ているので驚いた。
やっぱり夫婦だとだんだん似てくるんだろうか?
殺人事件は起こるが、犯人探しはさほど重要ではない。それよりも、舞台になったこの暗黒館の不気味さ、家族関係のいびつさ、遺伝性の病気の特異さ、永遠に去ることの無いように思われる嵐の中、作品のいたるところで狂気が渦巻いている。
しかし、猟奇性では綾辻行人は小野不由美に遠く及ばないね。小野不由美のむごたらしさには、気持ちが悪くなる事がある。
それにしても、すごく広大なお屋敷です。私が読んだ講談社ノベルズには、暗黒館の見取り図がちゃんと付いている。
西館(当主用)、北館(家族用)、東館(来客用)、南館(使用人用)。こんなお城みたいなお館が、ちっぽけな湖に浮かぶ小島に建てられているが、大雨が降り続いて湖の水位が上がったら、いったいどうするつもりだろう。
そうじゃなくても、だんだん地盤が沈下していくんじゃないだろうか、などと想像するのも楽しい。
「黒死館殺人事件」でも、こういった見取り図が付いていたら10倍楽しめただろうに。
九州の山深く、外界から隔絶された湖の小島に建つ異形の館―暗黒館。光沢の無い黒一色に塗られたこの屋敷を、そこの当主の息子に招かれて訪れた大学生・中也は<ダリヤの日>の奇妙な宴に参加する。
デビュー作「十角館の殺人」(1987年)では新本格派として意欲に満ち溢れていたが、この「暗黒館の殺人」(2004年)では作風があまりにも奥さんの小野不由美に似ているので驚いた。
やっぱり夫婦だとだんだん似てくるんだろうか?
殺人事件は起こるが、犯人探しはさほど重要ではない。それよりも、舞台になったこの暗黒館の不気味さ、家族関係のいびつさ、遺伝性の病気の特異さ、永遠に去ることの無いように思われる嵐の中、作品のいたるところで狂気が渦巻いている。
しかし、猟奇性では綾辻行人は小野不由美に遠く及ばないね。小野不由美のむごたらしさには、気持ちが悪くなる事がある。
それにしても、すごく広大なお屋敷です。私が読んだ講談社ノベルズには、暗黒館の見取り図がちゃんと付いている。
西館(当主用)、北館(家族用)、東館(来客用)、南館(使用人用)。こんなお城みたいなお館が、ちっぽけな湖に浮かぶ小島に建てられているが、大雨が降り続いて湖の水位が上がったら、いったいどうするつもりだろう。
そうじゃなくても、だんだん地盤が沈下していくんじゃないだろうか、などと想像するのも楽しい。
「黒死館殺人事件」でも、こういった見取り図が付いていたら10倍楽しめただろうに。