ケイの読書日記

個人が書く書評

岸本葉子「こつこつと生きてます」

2012-04-28 13:26:08 | Weblog
 “箸休め読書”第4弾!  というか、なかなか「ミレニアム3」に戻れない。まぁいいか。
 図書館に本を返しに行くと、ついでに面白そうな本が目にとまり借りてしまう。
 特にこれは、敬愛する岸本さんのエッセイ集だから。
 そんなに敬愛するなら、本屋さんで買ったら? と自分にツッコミを入れる。でも1500円。うーん、緊縮財政中だからなぁ…。三男が大学を卒業して、家計に余裕が出てきたら買おう、と自分に言い訳する。

 しかし、表紙のオビにはビックリ! 『書くだけでは暮らしていけません…』

 ええっ?! そうなの? だって岸本さん、結構売れっ子じゃない?
 年に何冊も本を出してるし(ただ重版がない)、TVにもちょこちょこ出演してるし(主にNHK)、講演の依頼も多いようだ。

 でも、出版業界は、規模が本当に縮小してるみたいね。岸本さんで言えば、初版の刷り部数は10年前の半分くらいだそうです。
 これは岸本さんだけでなく、他の有名作家さんでも同じだとか。
 もちろん、村上春樹、東野圭吾といったモンスター作家もいるけど、それは例外。
 だから、先のことを考えると、ついつい弱気になるらしい。

 でも、岸本さんだったら大丈夫。固定ファンがついているから。


 巻末に、特別書き下ろし『東京震災日記』が付いている。
 これも、3.11に東京の自宅にいた一市井人・岸本葉子さんの貴重な体験記。
 鉄道が止まり、帰宅難民として大勢の人が夜中にもくもくと歩いているさなか、岸本さんはその流れに逆らって、自転車で一人暮らしのお父さんの元に行こうとしている。

 お父さん、無事でした。よかったね。
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香山リカ「むくわれない生き方を変える本」

2012-04-23 09:09:24 | Weblog
 「箸休め読書」第3弾!!

 香山リカという人は、いったい何冊本を出版してるんだろう? 調べていないが、ものすごく多いだろうね。
 いつも行く図書館のパソコンで検索してみたら、133冊登録されていた。思ったより少ない。まぁ、すべての本を図書館が買うわけではないので、こんなものか…。
 まだ50歳ちょっとだから、死までに1000冊以上、出すかもしれない。

 大学教授だし、病院で患者さんを診ているし、TVのコメンテーターでもあるし、本もいっぱい出しているし。
 1日は24時間しかないはずなのに、ひょっとしたら何人か影武者がいるんじゃないかと思うほどの仕事量。

 こういうメンタル面の本じゃなく、時間をどのように有効に使うかといったハウツー物の本を出してもらいたい。

 

 「むくわれない生き方を変える本」の内容は可も無く不可も無く。確かに、最後の章に○寝るときに『今日もいい日だった』と呟こう
○からだの声に耳をすましてみる
○報われすぎる人生は危険だと言い聞かせる    などなど

 なるほど、そう考えれば少しはラクになるなぁというアドバイスが載っているが、負のスパイラルの真っ最中の人に言っても「わかっているけど、出来ないから辛いんじゃないの!!」と怒られてしまいそう。
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角田光代「よなかの散歩」

2012-04-17 10:55:46 | 角田光代
 「箸休め読書」第2弾!!

 角田光代が『オレンジページ』という雑誌で連載していたエッセイを、1冊にまとめたもの。
 『オレンジページ』は、料理がメインの生活情報誌。自分では買わないが、病院の待合室や銀行によく置いてあるので読む。
 だから、角田光代のエッセイが載っているのも知っていた。
 みうらじゅんと同じページに連載されている。エッセイのページがあるのだ。

 このエッセイを読むと、売れっ子作家・角田光代の日常がよく分かって面白い。

 料理好きだという事は、よく知られている。だから、この『オレンジページ』から依頼が来たのだろう。
 そして、この華奢で小柄な体格から想像するのは難しいが、かなりの酒豪らしい。よく泥酔するようだ。
 きれいさっぱり記憶が飛んで、なにも覚えてない事が40才になっても、頻繁に起こると書かれてある。

 しかし…あの細身の身体で、そんな事やっていたら、アル中まっしぐらじゃないだろうか?大丈夫?

 それからもう一つ。服装の好みが、かなり若作りらしい。
 これは、何となくわかるなぁ。なんといっても、アラフォー世代。それに、童顔でおめめパッチリ、小柄で華奢なので、すごく若く見られると思う。
 このエッセイ集にも、筆者近影が載っているが、かわいいもんなぁ。
 だから、男が切れることがない。
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吉田太一「私の遺品お願いします  遺品整理屋の事前相談」

2012-04-12 13:28:11 | Weblog
 前回から引き続いて「ミレニアム3」を読んでもよかったが、あまりにも刺激的で、力が入りすぎるんだよね。
 今回は“箸休め”ということで、ちょっとジャンルの違ったものを読んでみる。

 この吉田さんという遺品整理屋さんの本は、以前読んだ事がある。
 それは、死んだ後に遺品の引き取り手がいない、あっても引取りを拒否される、というケースの話だった。
 今回は、まだ死んでいない人が、自分の死んだ後の後片付けを依頼するというケース。

 医師から余命3ヶ月と宣告されたとか、高齢で子供がいないという人が、自分の死んだ後の迷惑を考え、遺品整理の業者と連絡を取るという心情はわかる。

 でも、子どもがいても、業者に頼みたいという人、多いんだね。
 そうだよなぁ。子どもと不仲という場合もあるし、仲が良くても遺品整理がテキパキとできるほど元気かどうか分からない。
 例えば、親が100歳以上長生きしすると、子どもが70歳代。そうすると、自分の方が先に亡くなっていたり、入退院を繰り返している事も考えられる。

 それに…
 江戸時代「泣く泣くも 良い方を取る 形見分け」という川柳があるそうだが、その時代は物が不足していて、着物や家具など欲しい人がたくさんいたのだろう。
 だけど現代(本人にとっては愛着のある品だろうが)着古した衣類や、使い古した家具を欲しいという人が、どれだけいるだろう?
 よほど良い物は、アンティークとしての価値があるだろうが。


 やっぱり増えるだろうね。こういった遺品整理の事前相談。
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ステーグ・ラーソン「ミレニアム2・火と戯れる女」㊦

2012-04-07 12:49:30 | Weblog
 「ミレニアム」が続いているので、更新して無いと思われているかもしれませんが、ちゃんと更新してますよ!! 1と2、㊤と㊦で違うんですよ。


 強制売春や人身売買の調査をしていた新人ジャーナリストと彼の恋人が殺された。凶器の銃からリスベットの指紋が見つかり、彼女は殺人の容疑者として指名手配される。

 どうしても、リスベットが犯人と思えないミカエルや、リスベットの支援者達は、それぞれに事件の真相を探ろうとする。

 「火と戯れる女」とはもちろんリスベット。彼女は13歳になる直前に、文字通り火と戯れて、ある男を焼き殺そうとしたのだ!!
 その時の因縁の男“ザラ”と決着をつけようと、リスベットは死地に赴く。ミカエルにたった一行書き残して…。

 「いままで友だちでいてくれてありがとう」

 ああ、泣いちゃうね。この150cm40kgの小学生のような体格の女の子は、たった一人で世界と戦うつもりなのだ!!


 読んでいると…吉田秋生の名作マンガ「バナナフィッシュ」の主人公・アッシュを思い出す。ただ、アッシュには英二という心を許した友達がいたが、リスベットにはいないから、それが悲しい。

 これは㊦巻だが、話はこれで終わらない。「ミレニアム3・眠れる女と狂卓の騎士」につながっていく。
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