書評家の豊崎由美のオススメだというので、読んでみた。古い因習に縛られた家の娘が、それを断ち切ろうとあがく話というので、そのつもりで読んだが…一種の推理小説ですね。最初は、おどろおどろしい雰囲気だが、最後は家族の再生のような明るい話になっていて、その落差に驚く。
北の小さな島に、中学三年生になったばかりの女の子がいた。彼女のおばあちゃんは拝み屋で、祟りをおそれ親切にしてくれる人もいるが、いんちき家族・ペテン師と陰口をたたく人もいた。
彼女に両親はいない。父親は誰か分からず、母親は拝み屋をやるのが嫌で、島を出て不幸な死に方をしたらしい。
女の子は、生まれながらに、おばあさんの跡を継ぐよう育てられた。それだけではない。知らない男の相手をして、女の子を生むことを強要されている。
この、巫女と売春は、古代から切っても切れない関係という事は聞いた事がある。売春というのは適当な表現ではないか。巫女と関係を持つと運気が上がると考えた人は多い。巫女の身体を通して神さまと交信するという事かもしれない。
この女の子は、それが嫌で島を逃げ出し新しい生活を始めようとするが、助けを求めた男が悪い奴で…。そうだよね。まともな男だったら女子中学生など相手にしない。自分が捕まっちゃうもの。
島を逃げ出した女の子は、結婚し娘2人が生まれた後もおびえて暮らす。先祖の意志に背いた、罰が当たると。
計算すると、この女の子は1957年生まれと思われる。クラスメートが高校へ進学するのを羨ましく思っているが、その当時1972年、ほとんどの人が高校進学するだろう。おばあさんが「高校へ進学させない」とがんばるのは、いくらなんでも時代に合わない。
それに、北海道の小島だと思われる土地で、拝み屋をやって生活できるんだろうか? 何といっても北海道は明治以降の入植者がほとんどで、新しい合理的な考えが一般的だと思う。その土地で、先祖の祟りが…と脅しても、相手にされないような。
だから、時代と場所を変えたらどうか?終戦後の混乱期、西日本のもっと古い土地柄の小島と設定した方が、うんとリアリティが増したと思う。
北の小さな島に、中学三年生になったばかりの女の子がいた。彼女のおばあちゃんは拝み屋で、祟りをおそれ親切にしてくれる人もいるが、いんちき家族・ペテン師と陰口をたたく人もいた。
彼女に両親はいない。父親は誰か分からず、母親は拝み屋をやるのが嫌で、島を出て不幸な死に方をしたらしい。
女の子は、生まれながらに、おばあさんの跡を継ぐよう育てられた。それだけではない。知らない男の相手をして、女の子を生むことを強要されている。
この、巫女と売春は、古代から切っても切れない関係という事は聞いた事がある。売春というのは適当な表現ではないか。巫女と関係を持つと運気が上がると考えた人は多い。巫女の身体を通して神さまと交信するという事かもしれない。
この女の子は、それが嫌で島を逃げ出し新しい生活を始めようとするが、助けを求めた男が悪い奴で…。そうだよね。まともな男だったら女子中学生など相手にしない。自分が捕まっちゃうもの。
島を逃げ出した女の子は、結婚し娘2人が生まれた後もおびえて暮らす。先祖の意志に背いた、罰が当たると。
計算すると、この女の子は1957年生まれと思われる。クラスメートが高校へ進学するのを羨ましく思っているが、その当時1972年、ほとんどの人が高校進学するだろう。おばあさんが「高校へ進学させない」とがんばるのは、いくらなんでも時代に合わない。
それに、北海道の小島だと思われる土地で、拝み屋をやって生活できるんだろうか? 何といっても北海道は明治以降の入植者がほとんどで、新しい合理的な考えが一般的だと思う。その土地で、先祖の祟りが…と脅しても、相手にされないような。
だから、時代と場所を変えたらどうか?終戦後の混乱期、西日本のもっと古い土地柄の小島と設定した方が、うんとリアリティが増したと思う。