この作品は、あまりの名作サスペンスなので、私は未読だけどストーリーを知っているのだ。ほら、よくあるでしょ? クリスティの「オリエント急行殺人事件」のトリックを読んでいなくても知ってるって事。
TVドラマ化もされているので、それも観た事があると思う。
だから未読でも読んだつもりになっていたが、これじゃダメだと今回読んでみる。本当に面白い。ストーリーを知っていても、こんなに引き込まれるなら、知らないで読むと、夜を徹して読むことになるんだろう。
妻とケンカし、あてもなく街をさまよっていたスコットは、風変わりなかぼちゃのような帽子をかぶった見知らぬ女に出会う。彼は気晴らしに、その女を誘って食事をし、劇場でショーを観て酒を飲んで別れた。女の素性を一切聞かずに。
その後、帰宅した男を待っていたのは、絞殺された妻の死体と、刑事たちだった。
彼のアリバイを証明できる、たった一人の、その〝幻の女”は、いったい何処に?
女と一緒にいる所を目撃したバーテンダー・ウエイター・劇場のマネージャー・ドラマー・タクシーの運転手たちは、不思議なことに、スコットは見たと証言したが、パンプキン帽子をかぶった女は見ていないという。
彼女は、本当に幻なのか?
スコットの友人や恋人が、幻の女を探そうと手を尽くすが、証人たちは次々と事故死していき…。
結末を知っている私も、胸がドキドキ、絶対絶命のピンチ!!!
そういったサスペンスたっぷりの場面だけでなく、コミカルな場面もある。
スコットが女と一緒に観たショーの人気女優・ミス・メンドーサは、ラテン女の典型で素晴らしく情熱的。機関銃のようにしゃべり、舞台を降りたホテル内での生活でも芝居気たっぷり。彼女に話を聞きに行ったスコットの友人は、あまりの大音量に、面談の前は耳栓をしていた。「鼓膜はデリケートな器官だ」と言って。
そして何より驚くのが、この作品は1941~42年の話なのだ。(刊行は1942年)つまり第2次世界大戦中。
それなのに戦争を思わせる記述は、ほんの一か所。それも訳者が注釈を付けているので分かっただけ。
私は、1950年代のアメリカ独り勝ちの時代かと思ったよ。この豊かさ。こんな国と戦争して勝てるわけない。当時の軍人たちは、どうしてそれが分からなかったんだろうね。
TVドラマ化もされているので、それも観た事があると思う。
だから未読でも読んだつもりになっていたが、これじゃダメだと今回読んでみる。本当に面白い。ストーリーを知っていても、こんなに引き込まれるなら、知らないで読むと、夜を徹して読むことになるんだろう。
妻とケンカし、あてもなく街をさまよっていたスコットは、風変わりなかぼちゃのような帽子をかぶった見知らぬ女に出会う。彼は気晴らしに、その女を誘って食事をし、劇場でショーを観て酒を飲んで別れた。女の素性を一切聞かずに。
その後、帰宅した男を待っていたのは、絞殺された妻の死体と、刑事たちだった。
彼のアリバイを証明できる、たった一人の、その〝幻の女”は、いったい何処に?
女と一緒にいる所を目撃したバーテンダー・ウエイター・劇場のマネージャー・ドラマー・タクシーの運転手たちは、不思議なことに、スコットは見たと証言したが、パンプキン帽子をかぶった女は見ていないという。
彼女は、本当に幻なのか?
スコットの友人や恋人が、幻の女を探そうと手を尽くすが、証人たちは次々と事故死していき…。
結末を知っている私も、胸がドキドキ、絶対絶命のピンチ!!!
そういったサスペンスたっぷりの場面だけでなく、コミカルな場面もある。
スコットが女と一緒に観たショーの人気女優・ミス・メンドーサは、ラテン女の典型で素晴らしく情熱的。機関銃のようにしゃべり、舞台を降りたホテル内での生活でも芝居気たっぷり。彼女に話を聞きに行ったスコットの友人は、あまりの大音量に、面談の前は耳栓をしていた。「鼓膜はデリケートな器官だ」と言って。
そして何より驚くのが、この作品は1941~42年の話なのだ。(刊行は1942年)つまり第2次世界大戦中。
それなのに戦争を思わせる記述は、ほんの一か所。それも訳者が注釈を付けているので分かっただけ。
私は、1950年代のアメリカ独り勝ちの時代かと思ったよ。この豊かさ。こんな国と戦争して勝てるわけない。当時の軍人たちは、どうしてそれが分からなかったんだろうね。