ケイの読書日記

個人が書く書評

群ようこ 「衣にちにち」

2016-11-19 08:40:12 | 群ようこ
 前回読んだ『衣もろもろ』で、群さんが結構オシャレさんだと知った。
 群さんのデビューは30歳。それから30年以上も売れっ子作家として活躍できているのはスゴイこと。昔ほど本は売れなくなっているらしいが、他の作家さんよりは売れている。そこで稼いだお金を、いったい何に使っているのか、前々から不思議に思っていた。
 群さんには、金遣いが荒い母親はいるが、子どもも配偶者もおらず、住む所も賃貸マンションで、美食家というわけではなく基本は自炊。それでも老後が心配だとエッセイに書いてあるので、お金の行く先が謎だった。
 でも、この本を読んで、疑問が解けた。
 キモノです。着物、和服。

 そんな金のかかる趣味があるなら、お金が残らなくても仕方ない。
 しかも伊勢丹で買うみたいだし、作家物もお好きなようだ。着物だけが高価なわけではない。帯など、それ以上に高価だし、帯留め、帯揚げ、帯締めなども凝りだすと、天井知らずの金額になる。
 このエッセイ本に、こんなエピソードが載っている。
 群さんが、デパートでプラダのコートのすごく素敵なのを見つけ、買おうと思ったが、なんと40万円もするので泣く泣く断念。洋服に40万円も出せないと言って…。でも、付け下げ(着物の訪問着の一種)になら、40万円ポンと出せるのだ。
 外出用としてお召しになるだけでなく、冬など自宅でウールの着物を着ていらっしゃる。本当に着物が好きなんだね。
 そうそう、彼女は三味線と小唄も習っているらしい。
 それに、着物友だちと月に一度、集まってランチ。こうやって強引にでも和服を着る機会を作っている。くうぅぅぅぅ、優雅ですなぁ。


 もちろん、いつもの群ようこ節も健在で、大笑いする箇所もあちこちにある。
 インターネット調査で男性の嫌いな女性ファッションのダントツ第1位が「トレンカ」らしい。わかります?男性諸兄。かかととつま先が無い地厚いタイツみたいなの。それに「お前は足軽か」というコメントが付いていて笑ったようだが、私も大爆笑。
 しっかしねえ、私個人としては、トレンカはGoodだと思う。なんてったって大根足が視覚のトリックで細く長く見える。

 他には、群さんとしては古着はNGらしい。オバちゃんが古着を着ると「古い」の二段重ねになって難しいそうだ。ああ、私は古着屋を漁るのが好きなのに…。
コメント (2)
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