ケイの読書日記

個人が書く書評

「母の家がごみ屋敷」 毎日新聞記者 工藤哲

2019-01-16 10:08:12 | その他
 このタイトルにドキッとした人、多いんじゃないだろうか? 身に覚えのある人が。実は、私もその一人。
 実家のゴミ屋敷ぶりを騒ぐなら、自分の住んでいる家をちゃんと片付けろ!という声が、どこからか飛んできそうだが、この際、自分ちの汚さは棚に上げて、言う。本当に困っていると。

 実家の母は、もともとキレイ好きな人ではなかったが、それでも足の踏み場がないほどではなかった。家族4人が、それなりに生活し、兄が結婚し家を出、私が結婚して家を出、父が亡くなり母一人になって20年ちょっと。
 いったい、どこからこんなに物が湧き出してきたんだろうと不思議に思うほど、大量に物がある。
 特に2階は、完全に物置になっていて、1階で邪魔になったものは、2階に上げていた。今では母は2階に上がれないので、片付けたり捨てたりするのは私の役目。どーんと捨てたいのだが、母が見つけるとゴチャゴチャ言うのよね。
 「まだ使える」「後で片付ける」「おまえは物を大切にしない」「おまえの家に持って行って使え」などなど。
 冗談じゃない!!!! 私の家でも、どうやって物を減らすか困っているのに、他の家の物など引き取れないよ。


 この本の中にも書いてあったけど、今は「買うのは簡単だけど、捨てるのは難しい時代」なんだよね。お金さえあれば、毎日でも通販で物が買える。けど、捨てるのには制約がある。可燃ごみ、不燃ごみ、資源ごみ、粗大ごみ、などルールがあり、捨てることができる日にちと時間が決まっている。
 高齢になると、曜日が分からなくなるので捨てられない事もあるが、そもそもゴミの分別ができなくなっちゃう。
 だから(私もやっているが)子どもが実家のゴミを自宅に持ち帰り、自宅の地域のゴミルールにのっとって捨てる。なかなか大変。

 そもそも高齢者って、ごみ(失礼!)モノに囲まれている方が落ち着くという人が多いのかもしれない。片付けた部屋だと、寂しいと感じるのかな。
 いや、そんな仏心を出しては身の破滅。母の入院中にどんどん捨てていこう。
コメント
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