午前6時の気温はプラス5度。ようやく少しづつ明るくなってきたところ。
お天気は曇りの静かな朝でござる。
本州方面は台風の影響で雨風ともに強いようですが、きょう一日こんな曇り空のお天気だそうな。
ご当地はあすも晴れたり曇ったり。今年は台風にはさっぱり縁のない平和な羊蹄山麓なのでした。
その一方、木曽の御嶽山はというと、台風の影響で捜索作業は進まず、土石流の危険も囁かれ、たいそう心配なことなのでござる。
さて、
その御嶽山の捜索作業を巡って、ジャーナリストの江川昭子さんがツイッター上で炎上したそうな。
「むしろ警視庁や富山県警の機動隊や山岳警備隊の応援派遣をした方がよさそう」と書いたことで、一部の軍事オタクが大騒ぎして、江川さんを左翼と決めつけ非難したのだそうな。
「自衛隊の災害派遣を否定するのか」ということらしい。
結果的には江川さんが謝罪して一件落着したとか。
おぢは自衛隊の皆さんが決死の覚悟で救助にあたったことを、大変ご苦労なことだとひたすら感謝をております。
とはいえ、批判をまるで許さないというのはどうだろか?
軍事ジャーナリストの清田信一さんは「御嶽山への自衛隊派遣、口を挟むとサヨク?」として、いま必要なのは事実に基づく冷静な議論だとしております。
そして「自衛隊に対する批判を許さない多くの論者は防衛省や自衛隊を疑うことを知らず、自衛隊を偏愛する傾向がある。今回のような『袋叩き』が増えれば、自衛隊のあり方に疑問を発すること自体がタブー化する恐れもある。それが健全な社会だろうか」と疑問を呈しておる。
さらにネット論者の主張に客観性を欠くものがあるとも指摘しておる。
たとえば軍事についてはさっぱり無知なおぢでも笑ってしまうのが「装甲車は火砕流に耐えられる」だ。
清田氏は「極度の高温では内燃機関である装甲車のディーゼルエンジンは動かなくなる。またタイヤ式の装輪装甲車ではエンジンが動いても、タイヤが溶けてしまう。火砕流にまきこまれれば、装甲車の中の乗員は蒸し焼きになる」と述べておる。
だけど「装甲車は火砕流に打ち勝つ」と思うトンチンカンな発言、あまりに幼稚でビックリいたします。
さらに清田氏は、今回自衛隊がヘリを使ったことに疑問を呈しております。
理由は火山灰だ。ヘリがホバリングすると火山灰が舞い上がり、視界を遮る「ブラウンアウト」という状態になるそうな。
実際、アフガン戦争ではアメリカ軍のヘリが、このブラウンアウトで多くの事故を起こしたのだそうな。
だから今回は無人ヘリを活用し、現場の状況を偵察すれば救出計画の策定にも役立ったのではないかと、自衛隊当局を批判しておる。
そして、今回の江川氏の疑問は「至極まっとうだ」として次のように書いておる。
軍事ジャーナリストは「一義的には今回のようなケースで救難に当たるのは消防や警察のレスキューチームだ」という。
また「自衛隊は常に正しいという『結論』、あるいは『願望』からすべてを演繹するべきではない。自衛隊の装備が常に有用とは限らない。噴火も含めて災害の現場は千差万別である。現地の状況によっては不要、あるいはかえって投入は危険という場合もあるだろう」という。
そしてこう結論付けておる。
「自衛隊の能力に対する過度な期待が世論の主流となれば自衛隊にとっては心理的な圧力となるだろう。そうなれば、『できません』とは言えなくなる。その『期待の声』に応えようと無理な作戦を行うようになり、無用な犠牲者を出す可能性も増えてくる。それは自衛隊の強化に繋がらない」。
今回自衛隊を出すべきだったかどうかなど、一般人に判断することはできません。
ではありますが、自衛隊の問題点を指摘したり、アイデアを提案したりすることを否定するのは、いかがなものかとも思うのです。
右であろうと、左であろうと、人の発言を封じたりする風潮だけは、おぢは、どうにもこうにも許せんと、本州に台風のやってくる朝、しみじみ思うのでした。
言いたいことを、言いたい場所で、自由にしゃべることができない世の中って、拙いんでないかい?