心の扉 神戸カウンセリング花時計

心理療法や催眠療法、ストレス解消や悩み等メンタルに関するもの、そして日常の出来事を自由気ままに掲載します。

催眠の技法の一つ

2010年11月02日 | 催眠療法



催眠のベタな技法の一つに次のようなものがあります。



被験者に一つの暗示を与えようとする時に、

例えば、その暗示が「リラックス。」だとします。



これをストレートに誘導すると、

「あなたは、リラックスします。」となります。



被験者を充分に催眠状態に誘導出来ていれば、

まあ、このやり方でも良いと言えば良いのですが、

私達と言うか、私の場合は、

一つの方向性へと導く働きかけを行う時には、

暗示をしっかりと心に届けるために、

単に、「あなたは、リラックスします。」とはやらずに、

ちょっとした働きかけをすることが普通です。



それを行うか行わないかは、

その時の被験者の様子によって違うのですが、

その言葉の前後に何らかの装飾を加えたり、

その言葉の持つイメージを想起してもらったり、

過去の体験を引き出せるように援助して、

その言葉に勢いと強さを持たせます。



それともう一つ、

本人の心の抵抗が出来るだけ起きないように

配慮します。



「あなたはリラックスします。」と言われて、

その被験者の心が「そうなんだ。」と受けてくれればいいんですが、

「えっ本当かなあ。」とか「ならなかったらどうしよう。」とか、

「えっ私には無理な気がする。」

とかの気持ちが被験者に起きて

言葉の受け渡しがスムーズにいかないと、

その分、暗示の強さが弱くなる可能性があります。



これを避ける方法は沢山あるのですが、

その方法の一つが、

相手に届けたい言葉は誘導者ではなく

相手に言ってもらうようにする方法です。



例えば、

「あなたは、リラックスします。」を3回ほど繰り返した後に、

4回目は、「あなたは、リラ。。。します。」

5回目は、「あなたは、。。。。します。」とやります。



誘導者が。。。。とあえて言葉を言わないことで、

欠落した不十分な状態となります。

その不十分で不安定な感じを嫌い、

欠落した部分を、被験者自身が

心の中で言葉を埋めてくれます。



これで誘導者が伝えたい言葉を、

被験者自身にに言ってもらうことで

抵抗が起きる危険性を排除することが出来ます。



カウンセリングにおける進め方としての、

カウンセラーの言いたいことはクライアントに言ってもらうように、

クライアントが言いたいことはカウンセラーが言う。

という考え方と同じです。



前回のブログの、

私はあなたを大切に思っていると言う

メッセージを届ける事に関しても、

直接的に、私は大切に思っていると言うよりも、

そのメインの部分を伝えたい相手自身に

心で言葉にしてもらう事が出来ることで、

強く働きかけが出来ます。



そして、ただ「私はあなたを大切に思っている。」と言ったとしても、

行動が伴わない言葉は薄ペラで力がありません。



どのような態度をとっているかが大切ですから、

前回のブログの働きかけによって示すことが出来ます。



だからと言って、

全く直接的な言葉を言わないでいると言うのも問題で、

時には、「愛している。」とか「大切だよ。」とか、

直接的なアプローチもすることも

お忘れないようにしなければなりません。


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違いに

2010年11月02日 | コミュニケーション



明日の天気のことは天気予報より漁師に聞けと

私の故郷では言われていたぐらい、

漁師の方は明日の天候を正確に予想出来ていました。



天気予報では兵庫県南部は晴れ。

しかし、私の町の漁師が、「こりゃ、明日は雨が降るなあ~。」

と言えば雨が降りましたし、

風が強くなると言えば、風が吹きました。



ですから、私は子供の頃は、

近所の漁師の人が雲を自由自在に操れる忍術か魔術を持っていると

本気で信じていたんですよね。

それぐらい凄かった。



だから、私もその能力が欲しいから教えて欲しいと、

漁師の人達に度々と詰め寄っていたので、

その頃は、相当に迷惑をかけていたと思います。



今思えば、漁師の人にとって天候を知ることは、

次の日の漁の出来不出来だけでなく

命に関わることですから、

漁師の間で代々語り継がれてきた

天候の法則のようなものだけではなく、

その時の空の様子、肌で感じるもの、空気の匂い等々の

微妙な違いを察知していたのだと思います。



これらは、はなわさんのお米の選別能力と

同じ脳の機能の働きだと思います。



ここで話が少し変わり、

興味を持つから脳の特別な選別能力にスイッチが入る。

興味が無いからスイッチが入らない。

スイッチが入らないから違いに気が付かないとなります。



うちの旦那は、私を女と見ていない。

うちの奥さんは、私を男として見ていない。

なんて声を聞くことがありますが、

髪を切ったことすら気が付かない。

口紅の色を変えたことも気が付かない。

会社で嫌なことがあって

少し落ち込んでいても気が付いてくれない。

疲れていても気遣ってくれない。



気が付かないと言うことは、

興味が無いと心は感じますから、

これが信頼されているという判断ではなく、

悪い方へ向かうと、

相手にとって私は重要な人では無くなったとなります。



人は原則的に、自分を大切だと思ってくれる人、

自分を好きだと思ってくれる人に対して好感をもつものですから、

これはその逆で、

そうだったら私もとなる種が蒔かれることになります。



この誤解と言うか、小さな綻びを軽く考えていると、

これが次第に大きくなり、

やがては取り返しのつかないほどの

亀裂となることもあります。



ですから、

ちょっとした変化に気が付くことは、

「私はあなたを大切な人だと思っている。」

と言う大切なメッセージです。



そうは言っても、

上手いことそんな変化は無いとか、

有ったとしても、その時、

気が付かないで見落としてしまうとか、

違いを発見する自身が無いと思う人もいるかもしれません。



しかし、ここで大事なのは違い当てクイズに正解することではなく、

大切だと思っていることが伝われば良いのですから、

それが実際に無いものであっても、

違っていても構わない訳です。



「あれ、髪切った?」とか、

「あれ、何か今日いつもと雰囲気違うね。」とか、

「今日、眼の輝き方が違うね、キラキラしてる。」とか、

心配する感じで、「何か、あったのか?」とか、

「今日の料理、今までよりも美味しいね、やり方を変えた?」とか、

「ありがとう。」に「いつも」を付けるとか、

こんな働きかけも結構大切なことかと思います。



だからと言って、毎日のように

「今日、髪切っただろう。」

何て言うのは逆効果に成りかねない事は

言うまでもありません。



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