一昔前の精神疾患の治癒に要する期間については、
疾患の期間と同じか、または、それ以上の期間が必要であるという
考え方がありました。
今も、そのように考えている所もあるかもしれませんが、
私の施療経験からすると正しい考え方であるとは言えません。
それは、
7年前から電車に乗れなかった。
3年前から外出すると緊張するようになった。
10年前から自分の気持ちを素直に言えなくなった。
このような悩みで苦しんでいた方も、
数回の施療で改善する例が非常に多くあるからです。
本人が自分を変えるんだと本気で取り組んで頂ければ、
施療回数、時間は必ずしも多くを必要としないものです。
施療で大切なのは、
変わっても良いんだと言う精神的環境を整えること。
そして、少し背中を押してあげること。
であるように思います。
中でも変わるための精神的環境を整えることは大切で、
いくら本人に決意があったとしても、
これが整備されていないと、
今までの枠を超えることが難しくなります。
ですから、数回の施療で改善の実感を得てもらうためには、
一回目、または二回目の施療はこれに全力で取り組み、
明らかにしていきますが、
本人が言葉にしにくいこと、
本人すら気が付いていなかった
自分の気持ちが存在することがあります。
その中の一つに、
自分の大切な時間の多くを
苦しさと辛さに費やしてきたという重さがあります。
それを数回の施療で解放は、多くの方は喜びとなりますが、
中には、そんな短期で改善を得たとしたら、
『今までの自分は一体何をしていたんだろう。』
『今までの時間は無駄な時間、意味のない時間となってしまう。』
このような気持ちの存在が、
短期間で自分が変わることに抵抗を感じてしまう人がいました。
本人が、この気持ちが有ることに
本人すら気が付いていない場合には、
一旦、自分を変えることに取り組み、
そして、失敗を経験してもらうことで、
そこにある抵抗する心を浮き上がらせることが可能になります。
その他にも、自分がその状態でいることで、
何らかの大きな利益がある場合(疾病利益)もその一つで、
自分を変える取り組みの前に解決しておかなければなりません。
催眠療法&心理療法 神戸ストレスカウンセリング・ルーム花時計