特定の言葉が繰り返されたり、詰まったりして、
言葉をスムーズに発することが出来ないことで悩まれている方もいます。
特に言葉の出だしであるとか、『パ』とかの破裂音が
円滑にいかなくなることが多いようで吃音と呼ばれています。
この吃音についての取り組み方は、呼吸法であるとか、
ゆっくりと話すとかの色々なトレーニング方が考えられていますが、
決定的な方法と言えるものは見つかっていないようです。
緊張するから吃音症状が出るとか、
いや、吃音だから緊張するとか、
卵が先か、鶏が先かのような議論があるようです。
ただ、有名な話として、
エスキモーの大人には吃音の人がいない。
何故か、その結論としては、
吃音を心配したり恥じたりする社会的背景がないとのこと。
また、昔の映画の『ゲームの達人』の中にも、
精神科医が子供の吃音を心配したお母さんに、
それを指摘したり、
直そうとしたりしないで普通に接するようにと
助言するシーンも収められてるように、
その本人が吃音を特別に意識しないことがポイントとなるようです。
ただ、そうはいっても家で出来たとしても、
学校などの集団の中に入いりますから、
本人がよほど自分を強く持っていなければ、
エスキモーの社会とは違い簡単ではありませんが、
今思えば私の小学生の頃、
2~3人吃音のクラスメートがいましたが、
中学生の頃には自然に治っていたという現実を目にしていますので、
改善可能なものであると信じています。
今まで私が吃音の相談を受けた場合に取り組むのは、
基本、予期不安を取り除くことに努めます。
何か特効薬があるような大きな口を聞いてみたいのですが、
今まで取り組んだ経験上、
簡単にはいかないものの一つなのですが、
やはり解消のためにどうしても
土台作りが大切であると考えています。
一人でいる時とか、気の許せる仲間といる時には
吃音とならない人等には、
この取り組みで明らかに変化をもたらすことが出来ます。
限定されたものでない場合にも、
吃音から抜け出すための必要な土台を作ることが出来ます。
土台の無いままトレーニングによって改善を試みるよりも、
効果が期待できます。
催眠療法で有名なミルトンエリクソン氏は、
催眠トランス下では吃音とならない人の場合には、
そのことを通常時にも行えるよう働きかけて成功したとありますが、
催眠畑出身の私ですが、正直、
まだ、そのような取り組みを行ったことはなく、
地道に、急がば回れで地道に予期不安を解消し、
土台を作ることに務めるようにしています。
また、歌を歌う時には吃音にはならないことであるとか、
特定の言葉を怒りの感情をもって話すと吃音になりにくいこと等を、
施療に活用していくこともあります。
催眠療法&心理療法 神戸ストレスカウンセリング・ルーム花時計