心の扉 神戸カウンセリング花時計

心理療法や催眠療法、ストレス解消や悩み等メンタルに関するもの、そして日常の出来事を自由気ままに掲載します。

拳禅一如

2017年03月12日 | 心理カウンセリング


少林寺拳法を学んでいた時に聞いた

「拳禅一如(けんぜんいちにょ)」と言う言葉があって、

「拳」は肉体、「禅」は精神、「一如」は一つの如しで、

人間は、精神と肉体は切り離すことが

出来ないものとする考え方です。


心理療法の観点からも

心の安定が身体の健康に影響を与えるし、

身体の健康が心の安定にも影響を与えることから、

心身一如と考えることが出来ます。

 

頭痛、胃腸の調子、ムカつき、肩こり、

耳鳴り、めまい、倦怠感等に終わらず、

細菌、ウイルスへの抵抗力の低下等だけでなく

癌等の重篤な身体の状態についても

心の問題の存在を

身体が示しているものだと考える人もいます。


私は心の問題を解決することが

あらゆる身体の病気を改善させるだけの影響力があるとは

確信を持っていないのですが、


万能薬的に妄信せずに

身体の健康の取り組み方の一つとして、

頭の片隅に置いておいても良いのかと思います。


東京時代に、

人間関係の悩みで相談に来られた一人の女性がいました。


その方は、幼い頃からのアトピー皮膚炎にも長年悩まされており

治療薬ステロイドの長年の使用による影響だと思いますが

両手の指先から手の甲、顔全体、首、耳まで

外から見える部分の全ての皮膚がハッキリと分かるくらいに

黒ずんでいました。

 

そのようなこともコンプレックスとなり

人を遠ざけてしまうことの

小さくない要因になっているとは思いましたが、

まず心理療法でアトピーを直接扱うことはありませんし、

大きな改善を得られるとも思ってもいなかったので


まずは、その方が長い間、

心に閉じ込めていた悲しみや辛さ、

そして、怒りなどを開放することに取り組むことにしました。


手法としては、

強い呼吸を繰り返してもらうブリージングを採用し、

この時、

トラウマの場面や具体的な感情や気持ちを特定せずに、

溢れ出るシンプルな感情や気持ちを解き放つことを

目的にしたのは、


心の中を少しでも軽くしてもらい

その後の観の転換、心の規則を書き換えることを

スムーズに進めるためです。


ここで予想外のことが起き始めます。

 

何度目かのセッションの時に、

その方の両手の指先に本来の肌の色の部分が

広がってきたような気がしたのです。


まさかと思いながらも、

続けてもらうだけの価値はあると判断して

その取り組みをもう少し続けてもらうことにしました。


するとどうでしょう。

少しずつ少しずつ本来の肌の色の部分が広がっていき、

私だけではなく本人にも確認できるようにまでなり、

指先から始まったそれは、

最終的には顔全体にまで本来の肌の色が

戻るという結果に繋がりました。


その肌の変化の様子は、

黒ずんだ肌が全体に薄くなっていくのではなく

指先から潮が引くように消えていき、

本来の肌の色が戻っていくというものでした。

 

当初は、観の転換、心の規則の書き換えを

主目的にした取り組みでしたが、

 

本人の長年のコンプレックスが消失していく過程で

私に近づかないでの雰囲気が消え、

自分から話しかけることが増え、

周りの人が柔らかな雰囲気を自分に向けているのを感じ、

人間関係が格段に良くなったとのことでした。


この時と同じ手法を用いることで

アトピー皮膚炎で悩まれている方全員に

同じような効果があるとは言えませんが、


心に閉じ込めていた感情を解き放つことで

心が軽くなり、心が変わることで

身体の健康にも影響を与え、

身体の健康を取り戻すことで

心の在りようにも影響を与えることの

一つの証明となるものだと思います。


催眠療法&心理療法 神戸ストレスカウンセリング・ルーム花時計


投票ボタン

blogram投票ボタン