前回、不正確な情報で公開前に訪れてしまった安養院に
今日こそはと再びやってきました。
安養院は、太山寺の四ヵ坊(庵養院・成就院・龍象院・歓喜院)の一院で
その庭園は、神戸市で唯一の国記念物・名勝に指定されています。
太山寺 庵養院
安養院の茅葺の屋根。
安養院
安養院門
よっしゃー開いていたあ!
前回の訪問時に安養院の門に書かれていた公開期間なので
さすがに開いています。
安養院 前庭
安養院 前庭
安養院 前庭
拝観料¥300-を収めて、
建物内へと入ります。
国指定名勝 安養院庭園
三身山の原生林(県指定天然記念物)を借景にした枯山水庭園で
安土桃山時代の作庭とされています。
安養院庭園
庭園はそれほど大きな規模ではありませんが、
日本庭園の根本思想の蓬莱神仙思想を
コンパクトな敷地で沢山の石を用いて表現しています。
安養院庭園
蓬莱神仙思想とは、
大海の彼方に蓬莱島などの神秘の島々があり、
そこには仙人が済み、秘宝や不老不死の仙薬を
蔵していると信じられ
そこに至ることが最高の理想とするものです。
科学が発達し、地球が狭くなった現代では
蓬莱神仙思想は、
もはやファンタジーでしかありませんが、
そのファンタジーを僧侶、檀家だけでなく
檀家以外の人、国や県が大切にしている気持ちが
非常に素敵だと思うのです。
映画「猿の惑星」の一番最初の作品のラストシーンで、
主人公が傾いた自由の女神を発見して
「ああああ、なんてこった。私は帰って来ていたんだ!」と
叫びます。
ファンタジーだと分かった後もなお、
その思想にある何かを感じ取り大切にする
そんな民が根付いている国こそが
蓬莱山かもしれないと思ったりもします。
「ああああ、この地が蓬莱山だったんだあ!」
縁先手水鉢(えんさきちょうずばち)
仏手石手水鉢と称される
上面に手形が彫られている珍しい縁先手水鉢。
安養院庭園
安養院庭園
安養院庭園の紅葉
もう一つの縁先手水鉢
この手水鉢を説明したものを見つけられなかったのであれですが、
足のように見えるのは私だけでしょうか。
安養院庭園
書院室内から庭園を眺める
向こうに三身山の原生林と太山寺の三重塔が見えて
庭園の風景の一部となっています。
書院
囲炉裏
囲炉裏
書院茅葺の屋根を内側から
安養院と紅葉
これで安養院を後にして
せっかくなので帰路にはつかずに
太山寺へと向かいます。
太山寺へと続く参道
太山寺 仁王門
太山寺 中門
パンフレットには仁王門と書かれていましたが、
どうみても仁王様がいません。
仁王様がいないのに仁王門とはこれ如何に?
国宝 本堂
太山寺は、藤原鎌足の子である定恵和尚が創設したと言われていて
奥に見えるのが神戸市内で唯一の国宝建築物の本堂。
太山寺 三重塔
今回の名所巡りは、これで終了です。
今回の名所めぐりは、
11月下旬の京都までの
比較的経費が安く済む近場でのサブ的なものでしたが、
名勝庭園3か所を巡ることが出来て
充実感を感じる一日になりました。
次第に肌寒くなってきました。
皆さま風邪をひかないよう御注意くださいませ。