将棋の名人戦七番勝負の第四局が5月17日、
福岡県飯塚市の「麻生大浦荘」で開かれ、
豊島将之二冠(29)が佐藤天彦名人(31)に勝利して
将棋界の頂点のタイトル、名人位を初挑戦で奪取しました。
現在の将棋界で一番充実しているのが
豊島将之二冠と渡辺明二冠の二人で、
名人戦の前から豊島将之二冠が優位の噂がちらほらとありました。
佐藤天彦名人は、これまで名人位を三期連続で防衛して、
名人戦では抜群の強さを発揮していたのですが、
現在、最高に充実している豊島将之二冠が、
その勢いのままに四連勝で名人位を獲得しました。
日本将棋連盟の会長であった米長 邦雄氏が、
「兄達は、頭が悪いから東大にいった。
私は、頭が良かったから棋士になった。」
と言ったように、プロ棋士の思考力が本当に凄いことが分かります。
名人戦の各棋士の持ち時間(思考時間)は、9時間で
二人で合計18時間となります。
アマチュアで詰め将棋を作ることを楽しんでいた人が、
馴染みの小料理屋のカウンターで1か月以上かけて完成した
長手数の詰将棋を同じ将棋好きで飲み仲間に挑戦させていた所に、
あの羽生善治の師匠の二上達也9段がたまたま来店したそうです。
二上達也9段は、チラッと詰将棋の作品を観て、
おしぼりで顔を拭き、眼鏡をかけ直して、
「それ、最後は何々に◯を打って◯◯手詰めだね。」と
一瞬で詰将棋を解いた逸話が残っています。
複雑な長手数の詰将棋を瞬時に解いてしまうような
読み解く力、思考力を有しているのがプロ棋士で、
そのようなプロの棋士が、1手指すのに1時間位考えている姿を
当たり前のように観ることが出来るのですが、
私のような普通の人からすると、
あれって何を考えているんだろうって思ってしまいます。
将棋以外のことを考えているんじゃないのって疑っていたりします。