冬の足音が聞こえ始めた12月の某日に
遅まきながら京都の紅葉を鑑賞してきました。
昨年は、紅葉情報を頼りに
11月の終盤に拝観した洛北の詩仙堂と
圓光寺の紅葉加減が4分程度だった経験を活かして
今年は、紅葉情報に頼らず
12月に入ってからにしたのですが……。
京都 嵯峨嵐山 渡月橋
京都の紅葉の名所の中で私が訪れたのは嵯峨嵐山地区。
阪急嵐山駅に到着したのが午前8時半。
京都の紅葉シーズンは観光客で混み込みと聞いていましたが、
渡月橋の人通りを見る限りはそうでもないようです。
世界遺産 京都 臨済宗天龍寺派大本山 天龍寺
今回、最初に向かったのは天龍寺の塔頭の中で
一番の敷地面積を持つ宝厳院。
初参拝となる宝厳院は
前々から訪れたかった寺院なので楽しみです。
その後に天龍寺も参拝する予定です。
宝厳院 嵐山羅漢
羅漢とは、小乗仏教の最高の悟りに達した高僧で、
宝厳院の周辺や境内には企業や個人から奉納された羅漢像が
数多く祀られています。
京都 宝厳院 石碑
京都 嵯峨嵐山 大本山天龍寺塔頭
大亀山宝厳院 山門
宝厳院は、京都の紅葉や新緑の名所の一つで
通常は非公開の寺院なのですが、
季節の特別公開期間のみ公開される場合があります。
宝厳院の茅葺屋根の山門を通り抜けると現れるのが
嵐山を借景にした「獅子吼の庭」です。
獅子吼とは「仏が説法をする」の意味があるのだそうです。
園路が左右に分かれていますが
「獅子吼の庭」は借景回遊式庭園なので
どちらの道を選んでも時計回りか、
その逆回りで庭園を鑑賞するかの違いだけになります。
苦海 瀧門瀑 三尊石
私は時計回りを選択。
無数の小さく丸い石が「苦しみ」を表し、
右奥に建てられた三つの石が釈迦如来。
左奥の石組みが激流を登り切った鯉は龍になる伝説の
登竜門を表しています。
三尊石
三尊石の手前にある石は、
苦海を渡り切り釈迦如来の説法を拝聴している
12の獣(干支)を表しています。
瀧門瀑
手前の立て札の立つ石は、
苦海を渡り切れない人が乗ることが出来る
船を表しているのだそうです。
この一角だけで庭が成立しているように思いますが、
宝厳院の獅子吼の庭は、それでは終わりません。
実は獅子吼に庭に足を踏み入れる前に
宝厳院山門の特別拝観を示す看板に書かれていた
「なごり紅葉」の文字で
宝厳院紅葉の最高潮の時期が
すでに過ぎているのを知っていたんですよね。
「落葉が進んで紅葉はあと僅かでっせ。」とは書かずに
「なごり紅葉」とは味のある言葉遣いですね。
無礙光堂(むげこうどう)と石塔
無礙光堂は、永代供養塔。
「無礙光」とは阿弥陀如来が放つ「十二光」の一つで
「何ものにも遮られることの無い光」のことです。
昨年は紅葉の進み具合が4割程度だったので
昨年の経験を活かして今年は12月の頭に訪れたら
今度は紅葉が4割程度しか残っていないんですから
紅葉の絶頂期を拝むのは難しいなあ。
無畏庵(茶庵)
ここではお茶を頂くことが出来るのですが、
今回はスルー。
宝厳院書院と紅葉
この後、本堂で襖絵を鑑賞させて頂いたのですが、
例によって写真撮影は禁止。
なのでホームページから拝借しました。
本堂 襖絵
本堂の仕切られた3室の襖絵。
木の色とピンクが違和感なく調和していました。
作者曰く、この色は胎児が体内で見る色なのだそうで、
観音様が衆生を救うために現世現れる姿として描かれています。
獅子吼の庭 苔
庭面を彩る緑色の絨毯。
立ち止まって鑑賞したくなるのは苔の絨毯の方で、
芝生は、寝転んだり座ってみたくなります。
碧石
獅子吼の庭にあるこの大きな岩石は、
碧石と言われるもので、
約2億年前の海底に堆積した微生物やプランクトンが
水圧で圧縮されて出来た岩石。
かなり硬度の高い岩石だそうです。
しかし、微生物やプランクトンが岩石になるんですね。
つまりは化石ってこと?
宇宙空間では気の遠くなる時間をかけて色々なものが
鉄に変化していると聞いたことがあります。
書院 紅葉
書院の池から流れる小川。
獅子岩
この岩の見た目が獅子の顔をしていることから
「獅子岩」と命名されています。
岩石の右側に目と鼻と口、確かに獅子に見えます。
敷き紅葉
先ほどは苔の緑、そして、ここは紅葉の朱色の絨毯。
獅子吼の庭が見事に赤色に染まっています。
時期さえ合っていれば
燃え盛る紅葉を観れたかと思うとクゥゥゥ……。
でも考え方を変えてみれば紅葉の落ち葉を
これでもかと敷き詰めた庭を観れたのは良いこと。
このような情景を
「散り紅葉」とか「敷き紅葉」と言われています。
豊丸垣
ちなみに敷き紅葉と言う言葉は、
苔を冬の厳しい寒さや霜や露から保護するために
枯れ松葉を敷き詰める「敷き松葉」から出来た言葉のようです。
宝厳院の紅葉は、かなりかなり散っていたのですが、
その分、敷き紅葉によって一味違った庭園の景観を
鑑賞することが出来たんですから、
失うものもあれば得るものもあるですね。
宝厳院 紅葉のトンネル
宝厳院の拝観を終えて、
次に隣接する天龍寺の拝観に向かいます。
天龍寺は今回で2回目の拝観となるのですが、
前回の時はまだ写真に残すことに
あまり興味が強くなかった頃だったので
ガラケーで撮影した数枚の写真が有るのみでした。
「さあ、しっかりと撮影するぞお!」
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