心の扉 神戸カウンセリング花時計

心理療法や催眠療法、ストレス解消や悩み等メンタルに関するもの、そして日常の出来事を自由気ままに掲載します。

分ける

2019年05月09日 | 心理カウンセリング

カウンセリングの技法の一つにスプリッティングという技法があります。

どのような技法かと言うと、スプリット(分断)の言葉そのままで

何でも分けてしまうことです。


男性と女性。あなたと私。上半身と下半身。

悪い自分と善い自分。自由奔放な自分と真面目な自分。

誠実な自分とズルい自分。優しい心と冷たい心。

と言うように何でも分けてしまいます。


「あなたは明るくて社交的に振舞っているけれども、

 孤独を好む時もありますね。」

「あなたには、活かしきれていない能力があります。」

のようなのは、占いの言葉でよく見たり聞いたりします。


「あなたは、真面目に頑張って仕事に取り組んでくれているので、

 会社のみんなと同じように私も信頼しているんだ。

 だけど、時には奔放な自分を解放してあげないと

 心は疲れてしまわないかと心配もしている。」

何て感じもスプリッティング技法の面白い使い方かも知れません。


仕事から帰宅をして資格を習得するための勉強を

毎日やらなければならないのに、なかなかやる気になれなかったり、

さぼってしまいがちな場合に、

勉強する場所を自宅からファミレス、図書館等に

変えることで集中力が一変した人がいたのも

分断の技法を実際に役立てたことによる成功例と言えます。


また、目的や目標に対して取り組む課題を分けることで

目標を達成しやすくなりします。


そして、私達の悩みは、人間関係が起因となるものが多く、

多くの場合において、他人の人生に巻き込まれ

本来は、その他人が持つべき責任を

自分が抱え持ってしまっていることが大きな原因の一つです。


◯誘われた食事や飲みを断ったら、気分を悪くされて

 関係性が気まずくなってしまった。

◯「あなたのことを思って言っているのよ!」と叱られる度に

 気分が落ち込む。

◯「子育て(会社)で疲れている私を気遣ってくれないの!」

◯別れたいのに、「あなた(お前)と別れる位なら死んでやる!」と

 脅されて別れることが出来ない。


何ていうのも、

自分の中にある悪者になりたくないであるとか、

価値が無い人間になりたくないといった感覚が揺らいでしまうことで

他人が持つべき責任を自分が抱え込んでしまっている状態です。


何かの理由で誘いを断ることは責められることではありませんし、

(まあ断り方が酷い場合は、また別の課題です。)


あなたの為と言うのも、

本当はあなたがその人の思うようにしてくれないと

その人自身が苦痛を感じたり不快な思いをすることを

避けようとしているからかもしれませんし、


気遣ってくれないと言われるのも

援助したいと思っていても、

何々を、どうして欲しいと具体的に言ってもらえなければ、

援助しようがありませんし、

具体的に言ってもらったとしても、

出来ることはして、出来ないことは断れば良いわけです。


別れる別れないも、別れることによって

その他人がその後の人生をどう生きるかは、

その人の責任であり課題なのであって、

誰かの人生を丸抱えしなければならない。なんてことはありません。


鬱的に気分が落ち込んでしまって相談に来て頂いた人の中には、

彼女とか友人の鬱の人に寄り添っていてあげようとして

頑張りきれず、あるいは、入り込みすぎて同調してしまい

自分が鬱的になってしまったケースもあります。


人は、集団を形成しなければ生き抜いていけない

ひ弱な一面がありますが、集団を形成することで

一人では無理なことも可能する有利さを得ています。


全く同じ意見の人だけを集めてする会議は、

改善、発展のためには殆ど意味がないように、

誰かの人生を丸っと背負うことは、

下手をすると1プラス1が2にもならないどころか、

1以下になってしまう可能性があります。


誰かの人生を丸っと背負うことは、

その誰かの自立能力の発揮することを阻害することにもなるのですが、

それが自分の人生や能力や生きる力を削り落とすことにならずに

互いがそれで納得し満足しているのであるなら

それはそれで一つの生き方だと思います。

(自分の存在価値を感じるために、あえて自立を阻害するのは論外)


理想としては、背負うのではなく並走(伴に歩く)し、

自分と人との境界をハッキリと認識して、

力を合わせたり、互いが出来る範囲でサポートをしながら

前進し、成長していくことだと思うのです。


誰かから協力や助けを求められることは、

それだけあなたが信頼をされている証かもしれませんし、

誰かに貢献することは素晴らしいことだと思います。


ではあるのですが、

人間関係においても仕事においても

ここまでは出来る。これ以上は出来ない。

れは自分の責任。これはあなたの責任。

のように、自分なりの境界線を

明確にしておかなければなりません。


一つや二つの会社で馴染めなかったとしても

一人や二人の異性や友人であった者と断絶が起きた時には、

その小さな世界とその外側に広がる世界とに分けて

世界を見直してみると罪悪感や存在価値の揺らぎは

小さく、小さくなるものです。


他人の人生の責任を抱え込まず、

人の人生に踏み入りコントロールしようとし過ぎなければ、

「露と落ち、露と消えし悩みかな 苦しみの日々は夢のまた夢」

となることでしょう。

 

催眠療法&心理療法 神戸ストレスカウンセリング・ルーム花時計


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