心の扉 神戸カウンセリング花時計

心理療法や催眠療法、ストレス解消や悩み等メンタルに関するもの、そして日常の出来事を自由気ままに掲載します。

チェンジ

2010年11月07日 | 心理カウンセリング



心理療法の目的は身体的、精神的な問題によって、

生き辛さを感じるまでに至っている状態(悩みの状態)から抜け出し、

望ましい状態へとなるために行うものです。



身体的、精神的な問題は次の3つの嚙み合わせが

不適応な状態となっていることから起きます。

①現在の自分の環境。

②現在の自分の持てるもの(実力、能力、経済力等)。

③現在の自分の思考、行動、感情。



悩みの状態から抜け出すには、

この3つの内の一つ以上を変える必要があります。



しかし、悩みの状態の程度が酷くなければ、

3つの条件を何も変えなくとも

近しい誰かに心情を聞いてもらうことで、

ネガティブな精神エネルギーのガス抜きが出来て

心の安定を取り戻すことが出来ます。



心の安定を取り戻すことが出来るのですから、

それはそれで良いのですが、

3つの条件がそのままであると、

また同じようなことと接すると

同じことが繰り返されます。



状態が深刻さを増すと、

ガスを抜いても抜いても追いつかなくなり

頻繁に繰り返されて常態化するようになります。


それでも、その状態を粘り強く受け止めて、

ガス抜きに一役買ってくれる人がいるようなら良いのですが、

無尽蔵に湧き上がるそれを受け止めきれる人は

そう多くありません。



この時、このガス抜きの役割を求めて

カウンセリングに来る人もいるようです。

それもまたカウンセリングの果たすべき

役割の一つなのかもしれません。



しかし、例え相談者が求めているものがそうであったとしても、

私のスタイルは、それを主とすることはありません。



私の施療の方向性は、

あくまでも繰り返される根源を断つことです。

しかも、出来るだけ早くの解決を得てもらうことです。



そのため、相談者の方には、

3つの条件を変えることに向き合ってもらうことを求めます。

そのために必要なことを話し合い、考えてもらいます。



今、施療の流れがガス抜きの方向に向いてはいないか、

今、施療の流れが解決のためのものであるか、

注意しながら進めるようにしています。



少し厳しいかもしれません。

私には、これが本当にその人にとって

良いのか悪いのか言えません。



しかし、私のカウンセリング・ルームに来て頂いたその人には、

もう悩みを解決するための必要なものは全て揃っている。

そして、自分を変えることに本気で挑んでもらったら、

驚くほど短期で変わることが出来ると信じているから、

これからもそれを求めていきます。


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感服

2010年11月06日 | ライフ



いつも楽しく見る番組「探偵ナイトスクープ。」

この番組の独特の味がたまらないと感じる人も多いと思います。



料理で言えば京料理。

何かの味が強く前面に出ることなく、

それでいて薄ペラで無くてクドクなくて深みがある。

複数の味の力加減が繊細に絶妙に絡み合うことで

生まれる味とでも言いましょうか、

とにかく良い味を醸し出しています。



視聴者からの相談という素材を、

あそこまでの良い味の一つの作品にするには、

楽しむことが上手な才能溢れるスタッフが

関わっているのに違いありません。



スタッフに光は当たりませんが

金メダル級の輝きを感じます。

表で輝く道と陰で輝く人。



今の私の好みは前面では無く陰で輝くこと。

渋いカッコ良さがたまらない魅力です。



そのような輝きをもっともっと放てるようになりたいと

番組を見終える度にその想いを確認しています。



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催眠の技法の一つ

2010年11月02日 | 催眠療法



催眠のベタな技法の一つに次のようなものがあります。



被験者に一つの暗示を与えようとする時に、

例えば、その暗示が「リラックス。」だとします。



これをストレートに誘導すると、

「あなたは、リラックスします。」となります。



被験者を充分に催眠状態に誘導出来ていれば、

まあ、このやり方でも良いと言えば良いのですが、

私達と言うか、私の場合は、

一つの方向性へと導く働きかけを行う時には、

暗示をしっかりと心に届けるために、

単に、「あなたは、リラックスします。」とはやらずに、

ちょっとした働きかけをすることが普通です。



それを行うか行わないかは、

その時の被験者の様子によって違うのですが、

その言葉の前後に何らかの装飾を加えたり、

その言葉の持つイメージを想起してもらったり、

過去の体験を引き出せるように援助して、

その言葉に勢いと強さを持たせます。



それともう一つ、

本人の心の抵抗が出来るだけ起きないように

配慮します。



「あなたはリラックスします。」と言われて、

その被験者の心が「そうなんだ。」と受けてくれればいいんですが、

「えっ本当かなあ。」とか「ならなかったらどうしよう。」とか、

「えっ私には無理な気がする。」

とかの気持ちが被験者に起きて

言葉の受け渡しがスムーズにいかないと、

その分、暗示の強さが弱くなる可能性があります。



これを避ける方法は沢山あるのですが、

その方法の一つが、

相手に届けたい言葉は誘導者ではなく

相手に言ってもらうようにする方法です。



例えば、

「あなたは、リラックスします。」を3回ほど繰り返した後に、

4回目は、「あなたは、リラ。。。します。」

5回目は、「あなたは、。。。。します。」とやります。



誘導者が。。。。とあえて言葉を言わないことで、

欠落した不十分な状態となります。

その不十分で不安定な感じを嫌い、

欠落した部分を、被験者自身が

心の中で言葉を埋めてくれます。



これで誘導者が伝えたい言葉を、

被験者自身にに言ってもらうことで

抵抗が起きる危険性を排除することが出来ます。



カウンセリングにおける進め方としての、

カウンセラーの言いたいことはクライアントに言ってもらうように、

クライアントが言いたいことはカウンセラーが言う。

という考え方と同じです。



前回のブログの、

私はあなたを大切に思っていると言う

メッセージを届ける事に関しても、

直接的に、私は大切に思っていると言うよりも、

そのメインの部分を伝えたい相手自身に

心で言葉にしてもらう事が出来ることで、

強く働きかけが出来ます。



そして、ただ「私はあなたを大切に思っている。」と言ったとしても、

行動が伴わない言葉は薄ペラで力がありません。



どのような態度をとっているかが大切ですから、

前回のブログの働きかけによって示すことが出来ます。



だからと言って、

全く直接的な言葉を言わないでいると言うのも問題で、

時には、「愛している。」とか「大切だよ。」とか、

直接的なアプローチもすることも

お忘れないようにしなければなりません。


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違いに

2010年11月02日 | コミュニケーション



明日の天気のことは天気予報より漁師に聞けと

私の故郷では言われていたぐらい、

漁師の方は明日の天候を正確に予想出来ていました。



天気予報では兵庫県南部は晴れ。

しかし、私の町の漁師が、「こりゃ、明日は雨が降るなあ~。」

と言えば雨が降りましたし、

風が強くなると言えば、風が吹きました。



ですから、私は子供の頃は、

近所の漁師の人が雲を自由自在に操れる忍術か魔術を持っていると

本気で信じていたんですよね。

それぐらい凄かった。



だから、私もその能力が欲しいから教えて欲しいと、

漁師の人達に度々と詰め寄っていたので、

その頃は、相当に迷惑をかけていたと思います。



今思えば、漁師の人にとって天候を知ることは、

次の日の漁の出来不出来だけでなく

命に関わることですから、

漁師の間で代々語り継がれてきた

天候の法則のようなものだけではなく、

その時の空の様子、肌で感じるもの、空気の匂い等々の

微妙な違いを察知していたのだと思います。



これらは、はなわさんのお米の選別能力と

同じ脳の機能の働きだと思います。



ここで話が少し変わり、

興味を持つから脳の特別な選別能力にスイッチが入る。

興味が無いからスイッチが入らない。

スイッチが入らないから違いに気が付かないとなります。



うちの旦那は、私を女と見ていない。

うちの奥さんは、私を男として見ていない。

なんて声を聞くことがありますが、

髪を切ったことすら気が付かない。

口紅の色を変えたことも気が付かない。

会社で嫌なことがあって

少し落ち込んでいても気が付いてくれない。

疲れていても気遣ってくれない。



気が付かないと言うことは、

興味が無いと心は感じますから、

これが信頼されているという判断ではなく、

悪い方へ向かうと、

相手にとって私は重要な人では無くなったとなります。



人は原則的に、自分を大切だと思ってくれる人、

自分を好きだと思ってくれる人に対して好感をもつものですから、

これはその逆で、

そうだったら私もとなる種が蒔かれることになります。



この誤解と言うか、小さな綻びを軽く考えていると、

これが次第に大きくなり、

やがては取り返しのつかないほどの

亀裂となることもあります。



ですから、

ちょっとした変化に気が付くことは、

「私はあなたを大切な人だと思っている。」

と言う大切なメッセージです。



そうは言っても、

上手いことそんな変化は無いとか、

有ったとしても、その時、

気が付かないで見落としてしまうとか、

違いを発見する自身が無いと思う人もいるかもしれません。



しかし、ここで大事なのは違い当てクイズに正解することではなく、

大切だと思っていることが伝われば良いのですから、

それが実際に無いものであっても、

違っていても構わない訳です。



「あれ、髪切った?」とか、

「あれ、何か今日いつもと雰囲気違うね。」とか、

「今日、眼の輝き方が違うね、キラキラしてる。」とか、

心配する感じで、「何か、あったのか?」とか、

「今日の料理、今までよりも美味しいね、やり方を変えた?」とか、

「ありがとう。」に「いつも」を付けるとか、

こんな働きかけも結構大切なことかと思います。



だからと言って、毎日のように

「今日、髪切っただろう。」

何て言うのは逆効果に成りかねない事は

言うまでもありません。



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意識すること

2010年11月01日 | 心理カウンセリング



以前、いくつかのTVの番組で芸人の『はなわ』さんが、

炊き上げた白米の銘柄当てに挑戦をして、

ものの見事に成功していました。



塙さんの目の前に立ち並ぶ炊飯器から

茶碗によそわれた白米の匂いを嗅ぎ、

味を確かめ、迷うことなく銘柄を宣言。



正解率100%。

そして、驚異だったのが炊き上げてから

何分位経過しているのかも当てていました。



「これは凄いな。」と思いつつも

このような能力は、何も特別な能力ではありません。

では、何が違うのか。



この違い、この凄さを生み出したのは、

一般の人達よりも白米に強く意識を向けた結果です。



元々、炊き上げた白米が好きだったのか、

何か、他の人が持っていない芸を身につけようとしたのか、

分かりませんが、

どちらにせよ強く興味を向けたことによるものです。



強く興味を向けることで、

ただ漠然と美味しいだけではなく、

私達の脳が持つ選別機能スイッチが入る。



すると、立ち上る湯気に含まれる匂い、

違いや微妙な味の違い、

水分の含まれる割合など、細かな点に注意が向けられ、

脳がその違いを嗅ぎ分け分類するようになる。



人は、好きなもの興味があるものには

深く細かく知ろうとし、

嫌いなもの、興味が無いものは漠然と

全体で捉える傾向があるのかもしれません。



これと同じように、悩みの状態にある時、

ネガティブな感情が繰り返し起きる原因となるものに対しては、

当然、好まないものであるし、嫌いなものであるし、

心をそむけたいものです。



だから、どうしても、

その時の心の反応について漠然と全体で捉えてしまう。

ゆえに次第にネガティブな反応をする対象が広がっていく。

だから、どうしても

心が何故にそう反応しているのかにも向けられることなく、

嫌だ、苦しい、辛い、怖い、不安だけになってしまう。



これだと、痛いんですとだけ、

医師に訴えているのと同じ、

苦しいんですとだけ、医師に訴えて言うのと同じ、

それでも、

幸いに現代の医療は素晴らしい検査機器がありますから、

それによって原因を解明することが出来ますが、

悩みの場合、その原因を知るための検査機器はありません。



ゆえに、私達がその検査機器の役割を果たす必要があります。



そのためには、そのネガティブな感情に興味を持つこと。

何故ゆえに、自分の心はそのように反応しているのか、

それを明らにすることで

悩みの状態から抜け出す一歩が始まります。



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