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新発想?の老人ホーム

2005-03-29 11:43:19 | 老親介護
今日の西日本新聞(九州)のWEB版に歓楽街に老人ホーム 飯塚市 ビジネスホテル改装 という記事がありました。
歓楽街に老人ホーム・・・なんとなく違和感がありますが、案外ポイントをつかんでいるかも知れません。

実家に帰って認知症の症状が出始めた母と一日を過ごすことで、分かってくることがありました。
それは「とても寂しがり」ということ。
父と二人っきりの生活が20数年続いて、その父が入院をしているのですから当然といえば当然です。
それだけではなく、認知症的な症状の中でも普通に戻る時が、家族以外の誰かと会っているときだったのです。
家族との会話よりも、ご近所の方と話すことの方が話し方もシッカリとしていますし、話そのものも辻褄の合うモノでした。
外から受ける刺激というのは、認知症に対して効果的な部分があるように思いました。

それだけではなく、街中にこのような施設を作ることで「入所者の家族が行きやすい」という気がします。
日本の場合、老親介護に対して「何とか家族で面倒を見るのが、一番」という考えが優先的にあります。
しかし、その為に介護をする家族の方が疲れ果ててしまい、その行き着く先が「姥捨て山」的に老人医療施設ということが少なくないような気がします。
そして、週に一回顔を見せればいいほうで、預けたら預けっぱなしという状況になってしまう、ということを聞いたことがあります。
このようなことが、一番老親にとっては不幸なのでは?
新しい試みだと思いますし、是非成功して欲しいと思います。

それと・・・高齢者の時間感覚ということにも、触れておきたいと思います。
今回の件で感じたことなのですが、年齢が高くなるとどうしても動きが遅くなってしまいます。
本人もそのことに気付いて、ジレンマを感じていています。
そこに「早く」という言葉を言ってしまうと、余計ストレスとなってしまい、コミュニケーションを取ることが難しくなります。
1日の時間が24時間ではなく36時間くらいのつもりで、こちらが余裕を持って接することが大切な気がしました。
実際、食事の支度が整って「さぁ、食べましょう」と言ってから、箸を取り、一口目のご飯を食べるまでに5分近く時間がかかりました。
おそらく、本人にとっては1.2分の時間感覚なんだと思います。
その時間感覚のズレを理解することも、大切なのだと感じました。