日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

(退職後の)未来予想図が描けますか?

2006-01-30 23:20:05 | ライフスタイル
朝日新聞のWEBサイトに、「日本人の退職に関する調査」という記事が掲載してあった。
元データとなっているのは、アクサ生命の世界11カ国の退職後の生活に関する意識調査 「第2回AXAリタイアメントスコープ」「リタイア=経済的困難」退職後の生活に悲観的な見通しが広がるという、調査からのものだ。
調査対象となっている国は、11ヶ国となっている。アクサ生命が事業展開している国、ということなのだろう。

詳細はPDFファイルで、100ページを超える内容のもの。
その為、プレスリリースだけの紹介となってしまうのだが、気になることがある。
それは「定年前の退職」について。
多くの回答は「自己都合による退職」と回答しているのだが、本当にそうなのだろうか?
調査全体から見える「日本人の労働意識」には、「勤め上げる=定年退職以外の退職は、企業からの退職勧告であっても、『自己都合』としている」のでは、ないだろうか?
それは、プライドのようなモノもあるかもしれないし、能力的に問題があり、恥ずかしいこと、と捉えている傾向があるような気がしている。

もうひとつ気になるのは、退職後何をしたいのか?という「未来予想図」を描けていないことだ。
なんとなく「何かをしなくては!」という、一種の強迫観念的な感じを受ける。
そして、その時間を楽しむ相手として「パートナー」を選ぶ回答も、少ない。
昨年のヒットドラマのひとつに「熟年離婚」があったが、あながちドラマだけの話してはない。
休暇にしても、「休暇を申請する」ことに、「一種の罪悪感」というか「申し訳ない」という感覚を持っているようにも思える。
会社員時代、ある女性社員が「旅行のための休暇申請」をしたら、彼女の上司は「病気は仕方ないが、旅行などの遊びで休暇申請はして欲しくない」と言われ、困った。ということがあった。
今では、そんなことを面と向って言う上司はいないと思うが、潜在的にはそんな意識が残っているのでは、ないだろうか?

自分に与えられた人生という時間を、どのように過ごすのか?
晩年NPO活動に積極的に、参加をしたPFドラッガーのような「生涯現役」という生き方もある。
白洲次郎のように「カントリージェントルマン」のような生き方もあるだろう。
多様な生き方ができる社会が、「豊かな社会」なのではないだろうか?