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自民党惨敗は麻生さんだけの責任ではない-ネガティブキャンペーン考-

2009-09-12 05:00:00 | マーケティング
中日新聞のWEBサイトに、衆院選、他党批判は“逆効果” 6割が悪印象、ネット調査と言う記事が掲載されている。

総選挙期間中、自民党と公明党は民主党に対して積極的に「ネガティブキャンペーン」を展開していた。
特に、ネットCM(と言うのだろうか?)などでは、民主党と名指しはしていないが、明らかに民主党の政策を揶揄したような内容だった。

選挙期間直前これらのCMが話題となったコトもあり、多くの人がアクセスをして見たのではないだろうか?
私は、話題になった時「ネットとはいえ不快なCMを作ったな~」と思い、見ることはなかった。
いくら「趣味:テレビCM観賞」と言う私でも、不快なCMを見る気はない。
むしろCMと言うモノは、生活者へのメッセージなのだから建設的な内容でなくては、企業(今回の場合は政党)イメージをUpさせることが出来ないと考えている。

あえてその逆を表現するのが「ネガティブキャンペーン」と言うコトになるのだが、過去アメリカ大統領選などを含め、ネガティブキャンペーンが成功したと言う事例は知らない。
確かに、相手のゴシップなどを取り上げ「こんなゴシップのある人に、政治を任せられますか?」と問い掛けるネガティブキャンペーンはある。

だが、今回の自民党や公明党の取った「ネガティブキャンペーン」は、ゴシップではなく単なる民主党の政策批判を展開しただけだった。
政策批判をするのではなく、代案となるような「比較広告」的な内容であれば、選挙民としては「政策を比べる」手段となったはずなのに、相手を揶揄し批判するだけでは、広告として成り立たないし、不快感だけを与えるだけなのだ。

ところで、最近の選挙には大手広告代理店が関わっているといわれている。
前回の衆議院選挙で民主党の選挙広告を手がけたのは、外資系代理店だったと言う話があった。
おそらく今回も、広告代理店がこのようなCMやキャンペーンを手がけていたはずだ。
そのように考えると、自民党や公明党のCMやキャンペーンを手がけた代理店は、何故積極的にネガティブキャンペーンを展開したのだろうか?と言う、疑問がわいてくる。

以前から「ネガティブキャンペーンは、日本に合わない」と、度々言われてきた。
「相手を陥れて、勝つ」と言う印象を与えるからだ。
そんなことぐらい、十分理解しているはずなのだが、それをあえて実行してしまったコトに、疑問を感じるのである。

「敗戦の将」は確かに麻生さんだが、麻生さんだけを負けた理由にするのは変だろう。
自民党自体の劣化だけではなく、このような「ネガティブキャンペーン」の提案をした代理店にも、一因があるのではないだろうか?