日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

見事な幕引き

2011-10-06 14:51:50 | 徒然
apple のCEOだったスティーブ・ジョブズ氏が亡くなった。
昨日の「i-Phone4S」発表の翌日、と言うのも象徴的な気がする。

ジョブズ氏について、あれこれ拙ブログで書く必要は無いと思う。
一つの時代を創り駆け抜けただけではなく、常に「イノベーティブ」を追い求めるその姿は、これまでの経営者像を大きく変えるモノでもあった。
新商品の発表会となると、自ら登場し、その商品のすばらしさや革新的なコトを実演しながら見せる、と言う方法は、それまでのスタイルとは大きく違ったモノだった。
今このスタイルで発表会をするのは、ソフトバンクの孫さんだろう。

この訃報を聞き、まず思い浮かんだ言葉が、今日のタイトルだった。
ジョブズ氏が膵臓がんに冒されている、と発表があったのは2004年。
手術をはじめとする様々な治療のため現場を離れると言うコトはあったが、その間に発表した数々の商品は、とても魅力的でappleの屋台骨となるモノばかり。
むしろ、病を得てから積極的にチャレンジを試み、イノベーティブなコトとは?と、考え抜いたモノ・コトを世に送り出したと言う気さえする。
それは単に「商品」というモノではなく、私たちの生活を大きく変える様なモノであったり、サービスであったりした。
それが、ITと言う企業の持つ「アメーバー的性格」だろうし、だからこそ革新的であったのだと思う。

そして、今年8月。
ジョブズ氏自身が「いよいよ」と言う感じがあったのだろう。
自分の意志を継ぐ後継者を指名し、それ以降一切表舞台に出ることはなかった。
後継者が決まった後自分が表舞台に登場するのでは、後継者を指名した意味が無いし、appleという企業が変わると言う印象も与えない。
もちろん、表舞台に登場できるだけの病状ではなかったということもあるとは思うが、それが逆にジョブズ氏の存在を際立たせることにもなった様に思う。

これから先「i-Phone5」が登場するのかは、わからない。
ただ個人的には「i-Phone5」は、登場しない様な気がする。
スマートフォンというモノではなく、もっと違うモノ。
それが何かは分からないが、そんな夢をジョブズ氏はappleに託したのでは?と、想像するのだ。
でなければ、いつまでもapple=ジョブズというイメージが残ってしまうからだ。
そんなことをジョブズ氏が望んでいたのか?
それを考えると、昨日の「i-Phone4S」の発表もまた、見事な幕引きという気がしてくる。