日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

ピンチをチャンスに変えるコト

2011-10-30 22:10:13 | ビジネス
今日1日、所要があり出かけていた。
用事が済み、ちょっと買い物を・・・と思いいろいろなお店を見て歩いていた。
そのときちょっと面白い商品を説明し、販売していた。
「え!何?」と思い、商品の前に立ち止まると、早速販売担当の方の説明が始まった。

説明された商品は、「トウモロコシからできたプラスチック食器」
「トウモロコシからプラスチック」ということを聞いたのは、これが初めてではない。
確か富士通のPCの一部プラスチックも、トウモロコシなどから作られていたように記憶している。

2002年富士通環境広告[とうもろこしからプラスチック」
そのため「目新しさ」というモノは、まったくなかった。
私が興味を引いたのは、その製造会社がこのプラスチック食器を作るようになった過程だった。

この企業のHPを見ると良くわかるのだが、実はこの企業はトヨタ自動車などの下請けとして、金型をメインに作る企業だったようだ。
しかし、リーマンショックで金型などの注文が減る中、何か金型技術を使って下請け企業としてではなく、独自の商品作りができないか?と、模索し始めたどりついたのが、この「プラスチック食器」だったのだ。

書いてしまうとわずか数行で終わってしまうのだが、「リーマンショック」という自分とは無関係な理由で、金型の注文が減ってしまう中で「自分たちの特化できる技術は何だろう?」と、考え抜いた上でこの「トウモロコシプラスチック食器」を作るにいたったのだった。
要した時間は、1年以上。
トウモロコシプラスチックの短所である、型からはずす際せっかく成形したものが、上手に外れない、という問題を解決し、その技術は現在この企業だけしか持っていないという。

まさに「ピンチをチャンスに変える」という、コトだろう。
もちろん、簡単にできるわけではないし、プラスチック食器そのものは、市場にたくさん出回っている。
100円ショップなどで売られている。
それでも、リーマンショックのような外的要因で企業が危機に晒されている状況を打破するために、あえて自分たちの強みを見直し、それまで培ってきた技術に新しい技術をプラスして、下請け企業からの脱却を図りつつ、付加価値性の高いモノを作ろうとしている。

この姿勢こそ、大事なのではないだろうか?