日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

ユニクロのジレンマ?

2011-10-12 20:30:08 | ビジネス
新聞各社のWEBサイトに「ユニクロ4期ぶり、減収減益」と言う記事が掲載されている。
内容については、新聞各社の記事を読んでいただくとして、その中で指摘されていた「デザイン」というコトについて考えてみたい。

実は、ここ2,3年のユニクロを見ていて感じるコトがあった。
それは、メンズでは無くレディースに関するコトだ。
デザイン的に見て「・・・」というモノが、多くなりつつある様な気がしていたのだった。
ユニクロの顧客対象が、10代~20代(場合によっては30代前半)に限定しているのならまだ分かるのだが、どちらかと言えば「ファミリー向け」という店舗ディスプレイをしている関係上、どうしてもある年齢の女性には、「・・・・どうよ」という感じのデザインが、目立つようになってきたのだ。

この背景にあるのは、同じく2.3年前に日本に次々と進出をし話題になった「H&M」や「フォーエバー21」の影響があったのではないか?と、思っている。
理由は、「H&M」や「フォーエバー21」とユニクロが同じ「SPA」という形態の、ファッションブランドだったからだ。
ユニクロのライバルとして登場したはずの「H&M」や「フォーエバー21」も、積極的な日本展開をするのか?と思っていたら、首都圏が中心で全国的な展開というのはほど遠い状態になっている。
何より、今年に入ってからブランドの話題を全く聞かなくなってしまった。

ユニクロやH&M、フォーエバー21の様な形態のファッションブランドだけが、苦戦をしている訳では無いと思う。
ファッション業界全体が、停滞傾向にあるのでは?と、感じている部分があるのも確かだ。
そこが、ファッション業界の難しさでもある。
と言うのも、毎シーズン「トレンド」を創り出すコトが、ファッション業界そのものが代謝であり、利益を生み出す方法だからだ。
その「トレンド」を見ても、生活者が心動かされ「買いたい!」と思い、行動に移さなければ、「トレンド」は「絵に描いた餅」になってしまう。

ユニクロの場合、レディースの部分についてはまさに「トレンド」を提案しているにも関わらず、それまでユニクロの顧客だった層の「心を動かす」コトができていない様な気がするのだ。
であれば、どうしたら良いのか?と、考えると答えは自ずと出てくる。
それは「トレンド」ではなく「当たり前の服」を、新しく見せるコトだ。
せっかくユニクロには、「ヒートテック」や「サラファイン」といった「新素材」と言う強みがある。
シーズンごとに変わるデザインに走るのでは無く、当たり前の服に新素材のもつ高機能を組み合わせ、そこにエッセンスとしてのトレンドを提案する、と言うコトなのだ。

私は「ユニクロ」の意味は、「ユニバーサルクローズ(みんなの服)」だと思っている。
同じ服を違う世代が着たらどうなるのか?そんな提案が日本国内では必要な気がする。