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我が家の近所は更地ラッシュ-都市の新陳代謝考-

2012-04-10 13:18:54 | アラカルト
日ごろ見慣れた風景が一変する、というコトがある。
最近の我が家の近所では、その様な光景を見ることが多い。
その光景とは・・・今まであったはずの戸建て住宅やマンションがあった場所に、重機が入り建物を崩していく、という光景だ。
大体2週間程度で、頑強に見えたマンションなども更地になっている。

戸建て住宅の場合、代がわりというコトなのだろうな~と想像している。
それというのも、多くの場合更地になった後には、単身者向けのようなマンションが建つからだ。
相続の問題などから、親の建てた家を潰し稼働率の高い単身者向けのマンション経営をしたほうが、イロイロな面でよいのだろう。
場合によっては、高齢の親が介護付きマンションなどに引越し、その資金をマンション経営に当てているのかも知れない。

一方、既にあったマンションを取り壊す場合は、その理由が随分違うようだ。
というのも取り壊されるマンションの多くが、築30年を越す物件が多いからだ。
築年数が分かる理由は、私が名古屋に進学のために親元から離れてから30年余り、その時には既にあった物件だからだ。
とすれば、阪神淡路大震災前の物件で耐震などで問題があるマンション、というコトになる。
単なる老朽化というよりも、この耐震強度の問題でマンションを取り壊すケースが多いように考えている。
取り壊された後、新しいマンションが建つのかは分からないが、このような光景を見ると「都市の新陳代謝」という気がしてくる。

元々日本の家屋は、地震などの天災や火災に対して非常に弱かった。
そのたびに、人は家を建替え新しい街を創ってきたようにも思える。
だからこそ昔の人は、「身一つで逃げられる程度の物」しか持たなかったのかも知れない。
ここ何年か前から流行している「断捨離」よりももっと、すっきりとした暮らし方だったのかも知れなし、江戸時代が想像以上のエコ都市だった理由も、そんなところにあるのかも知れない。
そのような見方をすると、今の日本はイロイロなモノを持ちすぎていて「代謝が低下」しているようにも思えてくる。

逆に「都市の代謝低下」が、ご近所付き合いの低下となっているようにも思えてくる。
かつての天災や火災に弱い都市で頼りになったのは、ご近所との付き合いだったのでは?
ご近所同士の助け合いが充実していたからこそ、緊急時に「身一つで逃げる」コトが出来、その後の生活の不安も少なかったのでは?
都市が時代にあった変化をするためには、「新陳代謝のための街づくりと人付き合い」の両方を考える必要があるのかも知れない。
そんなことを考えさせてくれる、近所の更地だ。