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今のアメリカの混乱の始まりは・・・

2017-09-11 13:00:02 | 徒然

日本時間では、明日ということになるのだが、2001年9月11日、米国だけではなく世界を震撼とさせた「同時多発テロ」が起きた日だ。
国内で戦争という経験をほとんどしたことが無い(ご存じの通り、米国が国内で経験した「戦争」とは、「南北戦争」と「独立戦争」だけだ)米国にとって、このテロはとてもショックが大きいものだったはずだ。
そして、「アメリカは一つ」という、団結感が米国内を覆い、予備兵役に応募する人達が殺到した、という記憶がある。
同時に、イスラム教徒への偏見の始まりも、この時からだったのではないだろうか?
もちろん、この「同時多発テロ」を主導したのは、イスラム教原理主義の中で過激な武力強行をいとわない一派「タリバン」であったことも、大きく影響しているはずだが、元々「人種差別」という問題を抱えていた米国にとって、より鮮明な「人種、宗教、マイノリティー」に対する差別を加速させ、表面化させる切っ掛けとなったのではないだろうか?

この時の政権は、今と同じ共和党政権。
当時の大統領は、ブッシュJr.だった。
そして「テロとの戦い」という名目で、米国は「アフガン戦争」、「イラク戦争」へと突き進む。
パパ・ブッシュが大統領だった時、米国は「湾岸戦争」を起こしている、ということも忘れてはいけないことだと思う。
何故なら、「湾岸戦争」が「タリバン」という勢力を生み出す切っ掛けとなっている、という指摘がされているからだ。
後々「イラク戦争」の負の遺産として登場するのが「IS国」であり、当初「IS国」は「タリバン」と親密な関係にあった(その後、ケンカ別れ?をしている)。
皮肉なことに、イスラム過激派と呼ばれる二つの勢力を生み出す結果をつくってしまったのは、アメリカ自身なのかもしれない。

それだけではなく、9.11の「同時多発テロ」は、「武力行使」を安易に認める社会をつくってしまったのではないだろうか?
元々マッチョな「西部劇」的発想が根強い層には、「やられる前に、やれ」という分かり易い思考が受け入れられやすく、「自分(あるいは身内、仲間)VS敵という他者」という構図を作りやすい「不安」を植え付けることに、成功した(という表現はしたくないが)ようにも思える。
それが、元々根強くあった「人種差別」と結びつき、そのような思考が強い層がトランプ大統領を生み出し、反トランプ派との断絶を生み出す結果になっているような気がするのだ。
さらに、トランプ支持派と反トランプ派の間には、経済的格差がある。
いわゆる「リベラル派」と呼ばれる人たちの多くは、比較的裕福で高学歴者が多い地域に集中している。
トランプ支持派は、ホワイトワーカーと呼ばれる「白人の中~低所得者層」で、オバマ政権時代に「忘れ去られた人たち」とも言われている。
決してオバマ前大統領が「忘れ去っていた」訳ではないはずだが、彼らからすると「白人以外に対して手厚い政策」だと思い込んでいる傾向がある。

今のアメリカ(だけとは言えないが)の混乱の始まりは、16年前の9月11日だったのかもしれない。