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NHKが、ネット受信にこだわった訳を考えてみる

2017-09-20 17:37:14 | ビジネス

NHKが、ネット放送に対して受信料を徴取する、という話題がこの春にあった。
結局、民放各社や一般視聴者(特にネットユーザーか?)からの強固な反対があり、見送ることになった。
ご存じの通り、NHKは以前から会員登録をすれば「オンデマンド」で、ネットで番組を視聴することができた。
民放が共同で行っている同様のサービスの一つが、「TVer」ということになると思う。

NHKの主張(というか、目的)は、現在PCやスマホでNHKを視聴している人たちがいるので、そのような人たちからも受信料を徴取しないと「公共放送」としての公平性が保てない、という内容だったように思う。
確かに、一体型PCには地デジが受信できる機能を持っている機種もある。
スマホでも、ワンセグチューナーが搭載されている機種やアプリがあり、スマホで視聴している人もいるだろう。
ただ、そのような方法でテレビ、特にNHKを視聴している人たちがどれだけいるのか?というと、NHKが主張するほどの視聴者がいるのだろうか?と、疑問に感じている。

ところで、拙ブログに来てくださる方で「NHK1.5チャンネル」という、NHKのサイトがあるのをご存じの方はどれくらいいらっしゃるだろう?
NHK:NHK1.5チャンネル―テレビのオイシイところをオイシイかたちで

サイトでは「オイシイところをオイシイかたちで」と謳ってはいるが、公式サイトとは別のNHKサイトには「NHK PR」とあるので、やはり視聴者を本編に誘導するための予告集という位置づけのようだ。
NHK:NHK_PR NHK1.5チャンネル
ただ、「ためしてガッテン」のような番組を、アニメーションで紹介することで分かり易いと感じるところはあるのではないだろうか?

そう考えると、NHKはネット上で本編視聴を促すように「1.5チャンネル」というコンテンツを展開している、とも考えられる。
普段テレビを観ない人たちを、1.5チャンネルというコンテンツを展開することで「ネットでNHKを見てほしい」と言っているのではないだろうか?

それだけではなく、もう一つの狙いがあるように感じている。
それは今年の春放送した、星野源さんの「おげんさんといっしょ」だ。
番組としては星野源さんが考えた「ゆる~~~い音楽番組」という内容だったが、番組とは別にこれまでと違うアプローチを視聴者にしている。
それが「番組を視聴する時、スマホでツィートをしてね」という呼びかけがあったコトだ。
PRとしての1.5チャンネルがネットのコンテンツだとすれば、「おげんさんといっしょ」は、「テレビ2.0」というアプローチだったのではないだろうか?
「ツイートの内容によって、番組内容が変化していく(もちろん、大筋の内容変更はしない)」という、冒険的な試みがこの番組ではされていたのだ。
視聴率そのものは、決して高かったわけではないが、ツイート件数などは紅白を上回るほどだった、という。
テレビという媒体とTwitterという双方向性の高いネットツールを合わせていくためには、NHKとしては「ネット視聴」を考えることが重要だったのでは?
もちろん、その逆の発想があったことも十分考えられるが・・・。