安倍さんが、「臨時国会冒頭で衆議院を解散する」と、会見で話をした。
当然、野党は大反発だ。
反発の言葉は「その選挙に、大義はあるのか?」だ。
考えてみると、ここ10年くらいで行われた衆議院の選挙に「大義」はあったのだろうか?
当時の民主党党首だった野田さんが、議員定数削減の党首討論で「じゃぁ、選挙で国民に問いましょう」と言って、行われたことはあったが、自民党(=安倍さん)になってからの解散選挙に、どのような大義があったのか思い出せないでいる。
そもそも安倍さんが解散を言う選挙に「大義」など、なかったのでは?
その時々に注目されている出来事をキャッチフレーズにして、選挙を行ってきているはずなのだが、選挙をしたからと言ってその任期を全うすることなく、風向きが悪くなる度に選挙をしているような、印象があるのだ。
今回安倍さんは「国難突破解散」と言っているが、今の北朝鮮情勢を考えれば、選挙をして国会が停止させているような状況ではないのでは?
それを「北朝鮮への対応について、国民に信を問う」と言われても、多くの国民が思っていることは「北朝鮮の挑発行動を(政治の力で)止めさせる。拉致被害者の即時帰国」だろう。
その気持ちは選挙云々とは関係なく、変わらないと思うし、「国民に信を問われても、困る」と思っているのではないだろうか?
むしろこんな時だからこそ、新閣僚となられた大臣さんたちには「国難突破」をするために、働いてもらわなくてはならないと思うのだ。
表向きには、そのための内閣改造だったのでは?
このような安倍さんの「解散・選挙」を見ていると、ご自分の都合や風向きが悪くなりそうになると「解散・選挙」をして、政治をリセットさせているような気がしてくる。
特に今回は、安倍さん自身が「森・加計問題」を抱えていて、下手に選挙をすれば負けそうだった。
ところが、野党第一党である民進党が、揺らぎはじめている。
都議選で圧勝した「都民ファースト」の国政版も、まだ出来上がっているとは言えない。
政党として、基盤がしっかりしているのは現与党である自民党と公明党、そして野党の共産党しかいない、という状況になっている。
北朝鮮の挑発行動というか瀬戸際外交のおかげもあって(?)、支持率も少しは持ち直してきている。
だから「今選挙をすれば、選挙に勝てる!(=政権維持の期間が延びる)」と、考えたのではないだろうか?
私だけではなく、そう感じている人は多いのではないだろうか?
とすれば、安倍さんはひどく選挙民を、甘く見ているのではないだろうか?
安倍さんは、これまで「アベノミクスで経済の復活」とか、「女性か輝く社会」とか言ってきているが、アベノミクスは実質的には失敗ではないか?と言われるようになって、随分経つ。
「女性が輝く社会」と言っておきながら、今でも社会には性別の格差はある。
安倍さんの政策の多くが、掛け声倒れになっているのだ。
確かに「今の野党に期待はできない」と、感じている有権者は多いと思う。
だからと言って、ご自身の保身のために選挙などはしてほしくはない。
何故なら、選挙には膨大な額の税金が使われるのだから。