Yahooのトピックスを見ていたら、「なるほどな~」と思う記事があった。
Jcastニュース:キリンビール社員の飲み会映像に激しい反発「だからアサヒに勝てない」とネットで非難轟轟
私がまだ学生だった頃、ビールの売り上げのトップを走っていたのは、キリンだった。
そのキリンが牙城を崩したのが、アサヒビールの「スーパードライ」だった。
この「スーパードライ」の登場は、その後の「ドライビール(というのだろうか?)」のブームをつくる切っ掛けとなった。
そしてこの「スーパードライ」のヒットによって、アサヒビールはビールの売り上げで、キリンを抜くことができたのだ。
その後、発泡酒や第3のビールなどが登場することとなるのだが、ビールの市場そのものは、ほぼ横ばいからやや減少という傾向にある。
ビール酒造組合:市場動向レポート
ただ、クラフトビールのような特徴を持ったビールそのものは、爆発的な人気ではないにせよ、ジワジワと女性を中心に高まりつつある。
市場そのものが、横ばい~やや減少傾向にあるにせよ、居酒屋などに行けば「とりあえず、ビール」という方は多いだろう。
だからこそ、キリン側としてはテレビ番組を通して、宣伝(というつもりがキリン側にあったかは不明)を兼ねて、取材に応じたのだと思う。
ところが、「昭和の体育会系」の映像が、番組を見た人達(おそらく、若い世代だと思われる)からは、反発を招いてしまったようだ。
パワハラまがいの発言をした、主人公の上司(?)は、決して「パワハラ」のようなつもりはなかったのでは?
だからこそ、取材カメラの前で堂々と説教(?)をしたのだろう。
しかし、それが受け手側に不快感を与えてしまった。
不快感を与えただけではなく、「キリンって、企業体質が古い」という、負のイメージを与えてしまったようだ。
実際、若い世代にとって「飲みにケーション」は「ウザイ」ばかりで、余り参加したくないことなのかもしれない。
「お酒の席では、楽しく飲みたい」と、思うのは誰しも同じだろう。
ドキュメンタリーという番組の性格上、「楽しく、和気あいあい」とした映像が撮れなかったのかもしれないし、「主人公が先輩社員や上司から励まされて、成長をしていく姿」を見せたかったのかもしれない。
ただ、そこに受け手となる生活者、特にこれからビール市場を支える層に対して、共感を得られなかった、というのは、キリン側にとって手痛いことだっただろう。
逆にこの映像に対して、「若い層が不快感を持った」ということを深く考える必要があるのかもしれない。
何気ないテレビ番組の一つの映像から、企業イメージを左右させる、という好例かもしれない。