2020年東京オリンピック組織委員会長の森喜朗氏の発言は、思わぬところにまで話が伝わってしまったようだ。
Huffpost:各国大使館が男女平等で連帯ムーブメント「誰かが一線を越えたら、声を上げよう」
おそらく謝罪記者会見をした森氏は、あくまでも日本国内向けに会見をした、というつもりだったと思う。
それだけではなく、森氏に留任を求めた組織員の人たちや、森氏の同僚である自民党の議員なども「あくまでも国内向けに発した言葉に対しての謝罪記者会見」であった、という認識をしていると思う。
だからこそ、森氏の発言に対して積極的な発言がほとんど聞かれないのだろう。
唯一、オリンピックの理事をされている山口香さんだけは、以前から日本の古い体質のスポーツ組織や国に対して、積極的に「変革の必要性」を訴えていたように記憶しているが、その積極さが逆に、他の理事たちから「煩がられていた」というのも事実だろう。
これまで森氏の発言に対して、何も言わずに「嵐が去るのを待っている」ような対応が、今度は各国の大使館から批難の声が上がるようになってしまった。
このような状況になるとは、関係者一同思いもよらぬことだったのではないだろうか?
理由は、森氏の発言はあくまでも日本国内向けのモノであり、問題となった「女性の話は長い」という会議も、海外での会議ではなかったからだ。
森氏も関係者にも、海外からこのような反応が起きる、とは想像すらしていなかったのでは?
このような海外からの反応に対して、「日本国内のことだから」と言ってしまえば、おそらくより強い反発が海外から起きるだろう。
日本は先進諸国の中でも「ジェンダーギャップ」が各段に低いからだ。
「ジェンダーギャップ」が改善しない理由を、海外に示してしまったというのが海外の反応であり、それは森氏一人に向けられたものではないのかもしれない。
3,4年前、「有名なバイキング戦士は女性であった」ということが、判明した。
ナショナルジオグラフィック:有名なバイキング戦士、実は女性だった
指導者としてまた尊敬される人物、というのは性差ではなくその人自身の行動であったり、発言であったりする、ということは古代から変わらない、ということだろう。
この事実に、森氏や留意をお願いしたオリンピック委員、閣僚や国会議員たちは、どう思うのだろうか?
この外圧によって、やっとオリンピック委員会の委員や理事、そして議員さん達が気づき、変わることができるのだろうか?
日本企業を含め、男性中心思考の社会が変わる切っ掛けとなるのだろうか?