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認識が違い過ぎる、政府と現地

2021-04-13 21:05:18 | アラカルト

朝日新聞のWEBサイトを見ていて、政府の失策ともいえそうな「新型コロナ対策」の要因が分かったような気がした。
それは、「物事に対する、認識の違い」だ。

例えば「福島第一原子力発電所事故」による「汚染水処理」の問題だ。
見出しだけ見ても、菅総理は「アンダーコントロールとまったく矛盾ない」という認識を示している。
おそらく被災地の福島県をはじめとする東北に住む方々だけではなく、多くの国民は「どこか?」と疑問に感じるところなのではないだろうか?
何故なら、「汚染水処理」の問題だけではなく、「原発の処理」そのものが遅々として進んでいないからだ。
「進んでいない」どころか、「どのように処理をしていくのか?」という、処理スケジュールも提示された記憶はない。
にもかからわず、政府周辺の認識は「アンダーコントロール」すなわち「処理管理下にある」という、認識なのだ。

それは、当事者の東京電力本社も同じで、海洋放出が決まったことに対して、東京電力社長は「生まれ変わる気持ちで立て直したい」というコメントをしているのだが、それを聞いた首長さんたちは「生まれ変わるって何回目」と、冷ややかな態度だ。
その理由は不祥事を起こしたときの謝罪文句として「生まれ変わる気持ち」が、半ば常套句の様になっている、ということもあるが、現状把握ができず、そのために具体的な処理工程を示すことができないからだろう。
現状把握をする気すらないかもしれない。

それは「新型コロナ対策」についても、同じだ。
大阪での感染者数が1千人を超し、過去最多という状況になっている。
大阪ほどではないにしても(個人的には、東京都が発表する感染者数には疑問を感じている)、東京の感染者数も昨年同時期と同じくらいの状況に陥っている。
昨年の今頃というのは、「緊急事態宣言」が出され「不要不急の外出はしないように」と、自粛要請がされ、企業はリモート勤務の推進、小中高校は休校、大学ではリモート授業が開始された頃だ。
その時と同じような状況になっているにもかかわらず、菅総理は「大きなうねりとは、言えいない」と、「緊急事態宣言」に対して慎重な態度だ。

確かに「ワクチン接種」が始まったが、日本のワクチン接種率は数%にも満たない、という状況だ。
確かにワクチンそのものの輸入が遅れた、という理由もあるが、後手後手感はぬぐえない。
このような状況で「大きなうねりとは言えない」と言われても、生活者の多くは「だったら昨年の『緊急事態宣言』は、何だったのか?」という気持ちになってしまう。
当時は無かった「まん延防止等重点措置(通称「まん防」)」によって、感染拡大を抑え込むという考えなのかもしれないのだが、今回の感染拡大は1年前よりも早く、広範囲に及んでいる。
そのため、全国各地で「まん防」の適用がされる、という状況になっている。

「福島第一原子力発電所事故」の「汚染水処理」にしても、「新型コロナ感染予防対策」にしても、政府の認識と起きている現場の認識に大きなギャップがある、ということがわかる。
この「認識のギャップ」というか「認識にズレ」が、政府の失策の要因となっているのでは?という、気がしている。

これまで、企業がダメになっていく過程を見てみると、トップに的確な現場情報や苦言が上がらず、耳障りの良い言葉しか話さない「イエスマン」等の話しか聞かない、という状況に陥ると「組織そのものが腐敗し、ダメになる」と、言われている。
正に、今の状況はそれに近いのかもしれない。