日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

インタビュアーが悪いのか?答えた政治家の発想力がファンタジーなのか?

2021-04-28 22:28:00 | 徒然

先日、環境大臣をされている小泉進次郎氏のテレビインタビューが、話題になっていた。
実際のテレビを見てはいないのだが、小泉氏が「温室効果ガスを46%削減する」ということに対して、その理由らしきものを尋ねた回答に、世間が「???」となっているという。
TBSニュース:小泉環境大臣単独取材「46%削減をメダルに例えると?」

ただこのことに対して、小泉氏は「一部分だけを切り取られている」と、反論をしている。
朝日新聞:小泉氏「おぼろげ」発言を釈明「切り取られている」

リンク先のTBSニュースサイトでは、動画と文字おこしをした内容がみられるので、確認をしたのだがどうやら、小泉氏が言っている「46%削減」という数字は、何かしらの実績から積み上げた数字ではない、ということだけは確かなようだ。

最近の日本の政治家の発言を聞いていると、「数値目標に対して、根拠ある数字」というよりも、「気合の数字」を「数値目標にしているのでは?」と、感じる事が多い。
それは今回の「新型コロナ感染対策」についてもいえる事で、「変異株」の爆発的な流行により、昨年よりも感染者数が全国的に急増している、という状況にもかかわらず、明確な「自粛緩和」となる「数的指標」等が発表されていない。
とにかく「自粛にご理解とご協力を」というスタンスだ。

このような発言が数多くされている中での「数字は具体的でも、その根拠がボンヤリ。ファンタジー」という印象を与えてしまうような発言は、いかがなもの?と、感じる生活者は多いのではないだろうか?
それを「一部だけを切り取られている」と言われてもな~という、気持ちになってしまうのだ。

「切り取られている」という発言の記事にしても、菅総理をはじめ「積み上げた数字」となるモノが、全く見えてこないのだ。
このような場合端的に「現在の数字+今後の環境対策+環境対策によって見込まれる数字」という流れで、話をまとめられると、全体に「何故46%なのか?」ということが分かりやすい。
しかし、その「積み上げたはずの数字」が見えてこないために、「根拠がボンヤリ、ファンタジー」と言われてしまうのだ。

もちろん、インタビュアーの質問の仕方にも、問題があったのかもしれない。
意図的に、具体的な数字を引っ張り出すような質問をしなかった、というところもあったのかもしれない。
例え意図的にインタビュアーが、フンワリとした質問を投げかけたからと言って、「おぼろげに数字が浮かんだ」という回答はいかがなものだろう?

小泉氏の発言だけではなく、「新型コロナ」の一連の対策などで感じることは、日本の政治家はいつの頃から「数字に弱くなったのか?」ということだ。
田中角栄氏は、数字を出しながら演説をしていた記憶がある。
他の政治家の方々も「目標」となった時には、ある程度「具体的な積み上げた数字」を根拠として話していたような、気がするのだ。

感覚・感性は「時代の空気感」を読み解く力として必要だが、一方では「論理的な思考」を基にした発言もまた、重要なはずだ。
その「論理的な思考」の基になるのは、根拠ある数字の積み重ねだと思うのだが、違うのだろうか?

明日から世間ではGW。
やたらと「不要不急の外出を控え、ステイホーム」という政府広告が、流れている。
それでも1年間、我慢に我慢を重ねてきた生活者には、どれほど響く言葉なのだろう?