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テイクアウトのスタイルを変えよう

2021-04-15 21:44:03 | ビジネス

讀賣新聞のWEBサイトを見ていたら、スターバックスが「冷たい飲み物の容器を紙製に変える」という記事があった。
讀賣新聞:スタバ、冷たいドリンク全23品目の容器を紙製に…年間6700万杯のプラゴミ削減期待

「コロナ禍」になる前から、スタバに行くことがほとんどなく、行ったとしても店内で飲むだけだったので、テイクアウト用の容器にはさほど興味が無かった。
確かに、スタバの冷たい飲み物の容器は、透明なプラスチックだったな~ということに、記事を読んで思い出した位だった。
そのプラスチック容器から紙の容器に変える事で、プラゴミを大きく減らすことができる、という期待がある、ということのようだ。

1週間ほど前に、Huffpostに韓国のスタバの「プラゴミ削減」についての記事があった。
Huffpost:スタバ、使い捨てカップを初めて廃止。韓国で2025年までに。導入されるディポジット制度とは?

こちらは、冷たい飲み物用だけではなく、暖かい飲み物も含めた「使い捨てカップ」が、対象のようだ。
どちらがSDGsに対して積極的な取り組みなのか?と言えば、韓国の様にも思える。
思えるのだが、韓国の場合2025年までという猶予期間を考えると、どちらが積極的なのか?とは、言えないような気がする。

ただ、韓国で始める「ディポジット制度」というのは、ある意味興味深い。
「ディポジット制度」というのは、持ち帰り用のコーヒーを買ったとき「容器代」を支払い、次回その容器を返却することで、「容器代」を払い戻す、という制度だ。
確かに「ディポジット制度」そのものは、悪いものではないと思うし、利用者の意識が「容器代返還」というメリットを感じ、積極的に利用するなら効果は期待できると思う。
思うのだが、その「メリットと手間」という天秤にかけた時、どちらを選ぶのか?ということが、気になる。

日本のプラスチック容器から紙容器というのは、確かにプラゴミの削減にはなるはずだ。
だが、その紙容器は何からつくられるのだろう?という疑問が出てくる。
海外から輸入される木材チップを加工して作られた紙容器であれば、それはSDGsの考えからは外れる事になるし、牛乳パックなどの再生紙からつくられるのであれば、環境に優しいという建前にはなる(現実問題として牛乳パックなどからの再生紙が、本当に環境に優しいのか?私自身よくわからないのだ)。

ただこのような動きの中で、もう少し踏み込んだ「容器の持ち込み」という方法もあるはずだ。
実際、ヤフコメなどでは「水筒やポットの持参」によってポイント付与や容器代を値引くなどの、意見が出ている。
「環境問題への取り組み」という点で考えれば、「水筒やポットなどの持参」を推進するほうが、アピールになるだろう。
そこまで積極的に踏み込めないとすれば、それは「提供するコーヒーの味」等の点で、保証ができないということだと思う。
それだけではなく、スタバの主力商品の一つである「フラペチーノ」は、水筒やポット向きの商品ではない、という点も大きいだろう。

しかし、スタバに限らず「容器持参」という方法は、環境問題という視点だけではなく、「カスタマイズ」という視点でも、面白いのではないか?と考えている。
昭和の中頃までは、自宅にある空き瓶を持ってソースなどの量り売りをしてもらっていた。
その時は「中濃多めでウスターを混ぜて」と注文すると、中濃ソース6:ウスターソース4位の割合の「我が家のソース」を買うことができた。それはお味噌なども同じだった。
そしてこのような「カスタマイズ」という方法は、「環境」という視点からも古くて新しいスタイルになるかもしれない。
そしてこのようなビジネスは、昔ながらの商店街などがノウハウなどを含め有利かもしれない。