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新年度の始まりに思う

2021-04-03 20:06:40 | アラカルト

今週の木曜日から「新年度」が、始まった。
入社式や入学式など、本来であれば華々しい話題の季節でもある。
ところが「新型コロナ」の感染拡大が止まらない状況によって、昨年度の入学生も含めて「オンライン入学式」を実施した、大学もあったようだ。

このような華やかな話題の前に、Yahoo!のトピックスにいくつもの「廃校」のニュースが取り上げられていた。
しかもその数は、例年より多く地域も様々だった印象を持った。
それだけ多くの小学校が、児童の減少により「廃校」を余儀なくされている、ということなのだと思う。
「廃校」となった学校の中には、100年以上の伝統を持つ学校もあった。
「廃校式」等の映像を見ると、児童と保護者の姿よりも、地域住民の方々の姿のほうが多いのでは?という、学校も多かった。
地域に(小)学校が無くなる、というのは、それだけ地域社会にとって心理的にも大きな損失なのだろう。

そのようなニュース映像を見ながら「廃校後の建物はどうなってしまうのか?」ということが、気になった。
コンクリート造の校舎もあれば、木造の校舎もある。
その中でも気になったのは、木造の校舎だ。
「廃校式」で地域住民の方々が数多く参加されていた、ということを考えれば、「校舎だけでも残したい」という気持ちが強いのではないだろうか。
しかし児童がいなくなった校舎は、思いのほか早く荒れていってしまうだろう。
人がつくったものは、人の手が入らなければ荒れ放題になっていってしまうからだ。

当然、自治体も活用法を考えているはずだが、「地域住民の方々が使う」という発想に落ち着きやすい。
例えば「地域資料館」等の転用だ。
「地域資料館」への転用も悪くはないと思うのだが、それは「閉ざされた活用」の様に思う。
むしろ、歴史ある木造校舎であれば、より多くの集客ができるような施設へと変えていくことができる、と考えている。
もちろん、地域住民の方々にとって重要な思い出の場所である、ということを考えたうえで、地域色のあるレストランや地場産業の体験を兼ねた文化施設などへの転用だ。
もちろん、地場産業の新たな担い手となる若者たちの研修施設なども考えられるだろう。
そのような「開かれた活用」を検討していなくては、「校舎の手入れ」をする人を要することができなくなってしまうのでは?という、気がしている。

と同時に、コンクリート造などの校舎であれば、木造校舎と同様の活用のほかに、災害時の避難場所となるのでは?
躯体がしっかりしているだけではなく、体育館のような処で「雑魚寝」ではなく、教室そのものに簡易ベットなどを設置し、パネルなどを配置すれば、プライバシーという点でもある程度確保できるはずだ。
何より、トイレなどを含む衛生面での心配も軽減されるだろうし、家庭科教室などを利用すれば、調理などができ暖かい食事も避難生活がスタートした時から食べられるだろう。
何より、地域住民の方々にとって「慣れ親しんだ場所」という、大きな安心感があるはずだ。
災害時の避難場所として活用するためにも、「手入れ」を続ける必要がある。
「万が一」の為にも「開かれた活用」が、必要なのだと思う。

年度末、Yahoo!のトピックスに上がる全国各地の「廃校」の話題を見ながら、「新年度」だからこそ、廃校舎の新しいスタートを考える必要があるのではないだろうか?