日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

日本人女性が、クルマのプロダクトデザインをする

2021-04-24 22:02:05 | ビジネス

あるサイトを見ていたら、とても興味深い記事があった。
design stories:The Interview「シトロエン新型高級車C5X開発に関わる日本人女性の活躍」

見出しにある通り、フランスの自動車メーカー・シトロエンのカーデザインを日本人女性がした、ということで始まったインタビュー内容だ。

クルマそのものに興味がないので、そのプロダクトデザインをされた場所などはよくわからないのだが、少なくとも日本ではこのようなクルマのプロダクトデザインは、男性の独壇場なのでは?と、想像している。
何故なら、クルマのユーザーの中心はやはり男性だと思うからだ。
「ファミリーカー」や日本独特の「軽自動車」であれば、ユーザーに女性が多いことから、女性がプロダクトデザインをすることはあると思う。
それがこの「シトロエンC5X」という車種は、いわゆる「ファミリーカー」と呼ばれるタイプではない。
外装のデザインを見る限りでは、どちらかというと購買層となるのは中高年のクルマ好きの男性なのでは?という、気がしている。
だからこそ、この内装のプロダクトデザインを女性、しかも日本人女性がした、ということに驚きを感じたのだ。

このデザインを担当した女性は、元々日産自動車で同様のデザインをされていた、ということだが、カルロス・ゴーンという人物だったからこそ、彼女はルノーへ行くことができ、それがシトロエンのプロダクトデザインに、結びついたのでは?という気もしている。
これが日本のトヨタだったら、どうなのだろう?
トヨタが悪い訳ではない。
ただ日本の企業の多くは、企業規模に関係なく「〇〇の仕事は男性向き。✖✖の仕事は女性向き」という潜在意識のようなものがあるのでは?という場面が多々あるからだ。

私の会社員時代よりも、随分女性のマーケターが増えたとは言え、まだまだ男性の独壇場の様な状況だ。
女性のマーケターが活躍する場面の多くは、女性向けの商品という場合のほうが、まだまだ多いと実感している。
だからこそ、男性の独壇場のような「クルマの車内のプロダクトデザイン」を、若い日本人女性がしている、ということにフランスと日本のジェンダーギャップの差を感じたのだ。

そして、このような「女性がクルマのプロダクトデザインをしている」ということが、話題になるコト自体、日本のジェンダーギャップの問題なのかもしれない。
クルマ云々ではなく、またプロダクトデザインという分野に関係なく、本来であれば「性差に関係はない」のはずなのだ。
「男性だからできる・女性だからできない」のではなく、あくまでも「個人のセンス」なのだと、改めて気づかされる。

「性差」という思いこみを外したとき、個人のセンスや実力というモノが見えてくるはずだ。
残念ながら、日本ではまだまだ「性差」による仕事の区別があり、それはルール決めなどでは解消されない問題のような気がする。
さて、「その壁」を打ち崩すのは、女性自身なのだろうか?それとも・・・。