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何処へ行くのか?東芝

2021-04-14 21:14:47 | ビジネス

今日、東芝の社長交代があった。
昨日あたりから、報道があったのでこの「交代劇」そのものには、大きな驚きは無かったと思う。
ただ、今日の状況は異様な「交代劇」として映ったのでは?という、気がしている。
というのも、前任者である車谷氏の姿が無かったからだ。
毎日新聞:電撃辞任の理由は?買収案対応は?本人不在の東芝会見1

通常、前任者と後任者が並んで会見などをひらくのだが、前任者がいないという会見は「社内における何らかの特別な事情とか権力闘争的なものがあった」という場合が多い。
取締役員会などで前任者が解任された、というようにも受け止められるからだ。
このような「取締役員会で前任者が、解任された」というイメージは、決して企業にとってプラスとは言い切れない場合が多い。
逆にプラスとなるのは、日産のゴーン氏の時のような、前任者に対する社会的疑念があるなどの場合だろう。
今回の東芝の場合、社会的疑念があったのか?というよりも、経営不振に端を発した社内抗争の結果、という気がしない訳でもない。
ただ、この社長交代のニュースの前、大株主が、株式を売却したというニュースが、日経新聞に掲載されていたコトが、気になっている。
日経新聞:米ハーバード、東芝株売却 シンガポールの物言う株主に

ハーバード大学が、東芝の大株主であった、ということに一番驚いたのだが、日本企業が米国の大学などと共同で研究をする、ということは決してやぶさかなコトではない。
そしてハーバード大のような大学の場合、資産運用として株式投資をし、運用益の一部を給付型奨学金にあて、優秀な学生を国内外から募集する、という話を以前聞いたことがあるので、ハーバード大が積極的な株式投資をしているコトには、驚きは無かった。
ただ、経営不振に陥っている東芝株を、ハーバード大が大株主として保有していた、ということに驚いたのだ。
しかも売却先が、日本ではなくシンガポールのファンド企業で、株主総会では車谷社長に反対票を投じている。

それだけではなく、今日新たにKKRという米国のプライベート運用会社他欧米のファンド会社2,3社が、東芝への買収提案の検討に入る、というニュースがあった。
Bloomberg:KKR、ブルックフィールドが東芝への買収提案を計画

今回の東芝社長退任に歩調を合わせるかのような、株式の売買や買収の動きが活発になっているのだ。
しばらくの間、東芝という企業の行く末をシッカリ見ておく必要があるだろう。
場合によっては、日本政府が考えている「原子力事業」にも、影響を与える可能性もあるからだ。

それにしても、故土光敏夫経団連会長は出身企業である東芝の今の姿を、どのようにあの世から見ているのだろう?